2007年08月04日

サントリー美術館開館記念2 水と生きる(中期)

サントリー美術館に行ってきました。
この記事に書くのは中期の内容で、中期は7月11日〜30日であったのでもう終わってしまっているのですが、まあそのあたりはご容赦ください。

ミッドタウンのサントリー美術館、立地のせいか係員の人も気持ちのいいサービスを提供してくれる気がします。


今回気に入った作品をいくつか。

《隅田川名所図巻》は当時の生活の様子が事細かに描かれていて見ていてとても楽しかったです。すみっこのほうに眼鏡屋さんがあったのですが、江戸時代は庶民もめがねをかけていたのかな?それともやっぱり高級品とか、もしくはキワモノだったとか?ちょっと興味をそそられます。

会期全般にわたって展示替えしつついろいろな絵を見せてくれる歌川広重《江戸高名会亭尽》。今回気に入ったのは《池之端 蓬菜亭 青楼花見の休ミ》です。芸者見習いの禿ちゃん達がはしゃいでいてかわいいのです。

原羊遊斎という人の櫛が出ていたのですが、説明によると抱一が下絵を描いたとのこと!ほぅ〜。…と、おさむい駄洒落を書いてしまった。反省してます。

皇室(あら?将軍家だっけかな?忘れちゃった)のお姫様がお嫁に行くときの婚礼道具だという狩野養信《波濤図屏風》。結構ダイナミックな感じがしましたが、お嫁に行くのにこんな力強い絵柄のものを持っていってよかったのでしょうか?位の高い家から一般(?)の家に嫁ぐからいいのかな。

葛飾北斎によるデザインブック《今様櫛○雛形》。(←○はたけかんむりの下に手偏、旁は金、です。なんと読むのだ?)
櫛やキセルをつくる職人さんが見たそうです。1ページだけ見られるようになってたけど、他のページもぱらぱらみせてほしかった!

面白いな〜と思ったのは小川破笠《貝尽蒔絵硯箱・貝尽蒔絵料紙箱》という、文房具入れの箱!!これ、螺鈿とかを使って、本物の貝そっくりのものがうめこまれてるの!超斬新!おもしろい〜!!この人の作品はブランド化されていて「笠翁細工」て言われてたんだって。

こんな感じかな。
全部で3回にわけてるなんて、ニクいな〜!(いやまあ、そりゃ、長期展示に耐えられないものもあるし、展示スペースの問題もあるし、別にじらしてるわけじゃ…)

でもほんと、こういうの大好きだから全部いっちゃいそうだよ!
posted by はな at 21:06| Comment(0) | TrackBack(0) | 美術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

うわーお!

これ行きたい!かなり行きたい!ていうか、絶対行ってやる!!

「琳派と広重の展開 黒木国昭ガラスアート展」
http://www.takashimaya.co.jp/tokyo/

琳派も広重もガラスアートも好きだ!

でも日本橋って微妙に通らないロケーションなんだよな…。
でももたもたしてたら会期が短いし、あっという間に見られなくなっちゃう!

なんとか知恵を絞って日本橋に足を伸ばそう。
posted by はな at 19:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 美術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年07月29日

日展100年

楽しみにしていた展覧会です!
国立新美術館で開催中の「日展100年」。

わくわく、わくわく!

こちらの公式サイトでは、出品作品もちょびっと見ることが出来てなかなか楽しいです。
http://nitten100.jp/index.html

いやあ、よかったよかった、大満足ですよ!!
最近の私のツボは近代日本絵画なので、とにかくもう、大満足の展示でした。

新美ってオープンしてから2回ほど(展示は3つ)しかみてないけど、なんとなく「見方を強制してくる」ていうイメージがあったので(新美関係者様、ごめんなさいね)今回も「日展賛美!!」みたいなセクションわけ・キャプションつけまくりかな〜なんて失礼な予想をしていたんだけど、そんなことは全然なくて、時系列にそって良作をたくさんみせてくれたって感じでした。ありがたや、ありがたや。

日展は保守だとか、権威主義だとか思うかもしれないけど、いいものはいいのですよ。誰だったかな〜、丸山真男??(←すごいうろ覚えなので違うかも)かな??「真実の保守は革新なのです」みたいな言葉を行った人がいるけど、これだけの大作の潮流に乗っかろうと思ったら、画家さんだって自身の絶えざる革新をはからないと無理ですよ!

と、冒頭から息巻いてますが、お気に入り作品の紹介をば。

今回はおもーい図録も買ってきたので、いつも以上に携帯カメラのピンボケ写真をたくさん載せたいと思います!!気になる方はどうぞ会場にお越しくださいね!


まず、会場はいるといきなり上村松園の《花がたみ》がお出迎え。



ちょっと鬼気迫るものがあります。どうしたのでしょう、この女性は。松園の落ち着いた美しさのある女性の絵に慣れていた私としてはいきなりパンチをくらったようで、まじまじと見てしまいました。松園はいろんな雰囲気の女の人を描くんだなあ、と思ったわけです。

下村観山《木の間の秋》。



あ〜、これも、図録でも全然雰囲気違うし、携帯ピンボケ写真なんかじゃもう全然だめ!!でもね、とにかく、美しいのですよ。金色(←こんじき、と発音してください)のグラデーションが見事で。つる植物(山葡萄とか)が画面にめりはりをつけていて。


今村紫紅《護花鈴》。



これ、ほんとはずっと横長です。写真は一部分だけね。
護花鈴ってなんだろう、なにかの神事みたいな感じかな?くもったパステルのトーン、登場人物の穏やかな表情がいいのです。おちついてるのにそこにぱーっとひろがる華やかさ!

ちょっと、いい意味でぞっとする絵がこちら。
中村不折《白頭翁》。



しわしわの老人が見やる方向には若さ溢れる1組の男女が。いかようにも読解できそうな絵で…。女がつもうとしているその花は、若さのもつ美しさはすぐに消えてしまうものよ、ということを表しているのですか?


「第1章 文展」の後半は洋画だったのですが、もちろん良作がそろっていたわけですが、「第2章 帝展」の冒頭のほうに飾られていたこの作品が目に入ってしまい、もう気もそぞろ。

それがこれだっ!

石崎光瑤《燦雨》。



もういや…この写真じゃ全然わかんないって…。

ほんものは、すごいのです。金の雨、どういう方向で飛んでいるんだと不気味に感じるほどにねじれた鳥の群れ、中央を占める孔雀、南の島の森を思わせる極彩色の花、にじむ色…。
かなりアバンギャルドだったんじゃないかと思うのですが。とにかく、この絵はかなり気に入りました。


こんな素敵な絵もあります。
川崎小虎《春の訪れ》。



ほんわか、ほんわか…。日本画はほんといいよ。何がいいってこの色合いがいいんだろうなあ。


堂本印象《訶梨帝母》。



鬼子母神という名前のほうが聞いたことがあるかも。鬼子母神てとても恐ろしい面ももった神だったんだよね。でも、この絵は子どもを愛してやまない鬼子母神の一面があふれるほどに表されてます。子どもがみんな母の愛をたっぷりうけたふくよかな感じ。鬼子母神自身も、神々しい美しさが。この神々しさ、なぜか、私の中で、先日山種美術館で見た村上華岳の《裸婦像》とシンクロしました。


中村大三郎《燈篭大臣(とうろうのおとど)》。



はではでしいわけじゃないけど、気に入った一枚です。
蓮の花びらがふんわりと散ってるのよ(写真じゃわかんないけど!)。なんとなく極楽浄土(見たことないけど)を思わせる上品さがありました。

西山翠嶂《牛買い》。



美術館でみたときはもっと薄暗い色合いだったような気がします。
なんだろう、人生のペーソス(←私、この言葉好きみたいだな、陳腐なんだけど)を感じさせる絵。日常ってこんな感じだろうなって思った。

「第3章 新文展」にはいってからは、こちら。

西村五雲《麥秋》。



かわいいのぅ〜。たまらなく愛らしいです。動物の絵に弱いのかな、私?

工芸ではこんなのが素敵でした。

吉田醇一郎《薄雪鳩文漆絵飾筥》。



黒じゃない漆ってことよね?すごくカラフルでモダンな感じのする作品です。

「第4章 日展」ではこれなんかどうでしょう?

池田遙邨《稲掛け》。



こいつがいい味だしてるんだよね。



こやつがいなかったらどうかな〜と頭の中で画像編集してみたのですが、まあそれでも結構いい絵なのですが、やっぱりこのたぬたぬ君がいいのです。

そんな感じでした!

私的には超おすすめの展覧会です!!


2500円もするわ、重いわで散々だった図録だけど、嬉しいから寝る前とかにいっぱいみちゃおう!


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2007年07月28日

館蔵品展 江戸の粋

これは以前に行ったもので、もう会期も終わってしまったのですが、感想をメモしておきます。

ホテルオークラ併設の大倉集古館で開催されていました。

これに行く前にニューオータニで浮世絵(美人絵)を堪能してきたので、工芸品なども多かったこちらの展示もみて、いい感じにバランスが取れた感じがしました。

ところで、ニューオータニからオークラの間って歩けますか?土地勘が無いのでよくわからなかったのですが…。まあ、夏は暑いし、あんまり無理はしないということでいっか。



焼き物として、鍋島のお皿が2枚ほど。
焼き物ってどんな種類があるのか、とかそういった基礎的な知識がかけているからよくわかってないんだけど、でも、いろんな展示でみる鍋島はどれもプロの技だなあって思います。

円山応挙の大きな屏風《波濤図》が気に入りました!
金が筆で描ききれなかった細かい細かい水しぶきが光を受けてきらきらしているように見えて、立ち位置をいろいろ変えて、光の方向をいろいろ変えて楽しみました。

《藤流水蒔絵盥》というのもゴージャスなの!!もともと花の藤も藤文様も好きだからだけど、黒と金のコントラストで表される藤流水はとても華やか。もしこんなたらいで産湯につかったら、かぐや姫みたいな女性になれそうです(ほんまかいな)。

伊藤若冲のちょっと変わった雰囲気の作品にもお目にかかりました。拓版画というのだそうです。《乗興図》といいます。あの、仲良しのお坊さんと一緒に川遊びを楽しんだときの様子を二人で合作で作品にしたもの。まったく、この人たち、ほんと、風雅なんだから!

こんな感じのが続くながーい巻物で、見ている側も気持ちいい川遊びに同行しているような気になります!



そして《百鬼夜行図》!
こういう変なもの、大好きです。
巻物のいくつかの場面を絵葉書にしたものを買ったんだけど、ちょっとでも雰囲気伝わるかしら…。
いつもながらピンボケでだめねえ。



楽しいひと時でした!
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2007年07月25日

美の競演 珠玉の浮世絵美人

ホテルニューオータニのニューオータニ美術館で開催中の「大谷コレクション肉筆浮世絵 美の競演―珠玉の浮世絵美人」展を見てまいりました!

会期は7月7日〜8月19日です。まだやってるよ〜!


ここは全然広くないし、ミュージアムショップが充実してるわけでもない(こんなこと書いてごめんね!)、でも、この静かさというか、がつがつしてない感じというか、なんとなく品がいい感じが結構好きなんです。まあ、今まで行ったとき、いつもすいてたから印象がいいというだけなのかもしれませんが。

それにしても、ニューオータニのコレクションだけでこれだけそろえられるって、すごいよね。私もうら若き女社長とかになって、美術品コレクションを作り上げようかしら(妄想)。でも私、センスないからだめかも。いやいや、そんなセンスとか関係ないんだよ、自分が好きだなって思う絵をコレクションすればいいんだから!!うーん、そしたら、まずどのあたりのジャンルからあつめようかなぁ…。安心して!コレクション展は「ぐるっとパス」で入場できるようにするから!!もうね、社長命令ですよ。楽しみにしててね♪


て、話がおもいっきりずれてきたことを感じたので、軌道修正して特に気に入った絵・画家さんをメモ書き。

たおやかな感じでうっとりさせてくれた宮川長春。《小むらさき図》はとても上品です。

あと、華やかな雰囲気が印象に残った勝川春章。《立姿美人図》は体のしなやかなそり加減と、あと、猫がかわいい(←猫とか動物が出てくると俄然弱い私)

これは絵葉書買っちゃった。



いつもながらピンボケでいやねえ。

そして同じく《初午図》もよかったです。「初午」って何かおめでたい日なのかな?子ども達も嬉しそうに遊んでいる感じがとても生き生きしてよかったです。

喜多川藤麿の《俄雨図》もよかったです。このおきゃんな感じは町娘かしら?いきいきとした色っぽさがいいよね〜!

絵と全然関係ないのですが礒田湖龍斎《桜下男女図》という絵の表装のデザインがすごい気になったの。な、なんか、アルファベットみたいな文様がデザインされていたんだけど…?あれ、何?日本独特の文様?それとも南蛮ものが粋ってことでとりいれたデザインだったりする?誰かお詳しい方教えてください。

そうそう、「見立」という言葉について。ここの展示のキャプションでは"representation"と訳されていました。前回出光で見たときは"palody"でした。「見立」という言葉の意味が自分なりにつかめてきた気がします。

あとはね、美人図という分類ではないかもだけど、酒井抱一(追記で訂正!これ、鈴木其一です!!Takさんご指摘ありがとうございました〜!!)の絵がでていました!《吉原大門図》という絵で、とてもうきうきした遊びの雰囲気が伝わってくる絵です。抱一(追記:だから、其一だってばよ〜。まったく〜!)はやっぱり絵のセンスがとっても高いんだよぅ。


それにしても最近は浮世絵ブームですね。浮世絵見る機会がたくさんたくさんあって、恵まれてるなあって思います!
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2007年07月19日

じっと見る 印象派から現代まで

もう会期は終わってしまったのですが、ブリヂストン美術館で「じっと見る 印象派から現代まで」という展示をやっていました。会期最終日に体調不良をおして行ってきました。見て元気になりました。でも、見終わって帰ってきたらどっと寝込みました…。あ、もう次の日からは元気になりましたよ。大丈夫です。

基本としてコレクション展なのですが、どれも逸品ばかり〜!かなりよかったです!!

時代・画家的に口あたりがいいというかおいしいというかいくらでも食べられちゃう、そういうところを狙い撃ち、という感じがするので、とっても楽しかったです、大満足!

今回の私の琴線をかき乱したもの!

マネ。エドゥアール・マネ。《オペラ座の仮装舞踏会》《自画像》(1878−1879年の自画像)の2点でていたのですが、なんとなく、このスパイシーな雰囲気というか、暗い色の使い方というか、そんなところに惹かれてしまいました。それも、この感じは「こんな不良な男の子好きになっても幸せになれないわ!なのに…」みたいな、なんか、あぶないものに惹かれてしまうようなそんな気分、て、なんじゃね、その例えは。

セザンヌ。セザンヌは3点。《鉢と牛乳入れ》《帽子をかぶった自画像》《サント=ヴィクトワール山とシャトー・ノワール》。なんか、一見ぽったりとしたタッチの塗りに見えるんだけど、近づいてみるとちょっと意外な筆のおき方をしている、そしてまた離れてみると、不思議な立体感を感じる。そんなインパクトを受けてきました。

あとゴーガンが静物画描いてる!みたいな自分的にちょい新鮮な驚きを《馬の頭部のある静物》で。

そして、マリー・ローランサン。これは興味ない人は全然興味わかないかも。でも私は大好き。超大好き。
白い肌だと思ってよく見ていると頬がうっすらピンクだったり、同じ白い肌でも陰影の違いが出ていたり。画面全体の色のおき方のグラデーションもおしゃれだったし。あまりに気に入ったので、出品作品の2枚ともポストカードかってきちゃいましたよ!

《女と犬》



《二人の少女》



でもあの肌のほのかな描き方はライブで見ないとあまり感じ取れないかも。ポストカードとしてもデザインとして秀逸だけど。

そして最近の私の心にばしばしタイムリーヒットを放っている藤田嗣治。《猫のいる静物》。藤田の絵がすきなのか、線がすきなのか。sれとも…猫がすきなのか…。でも藤田も猫好きなんだよね。




美術館でくれた出品リスト、白黒なんだけど、画像付でかなり親切〜!!



コレクションも秀逸だし、展示量もちょうどいいし、お値段もリーズナブルだし、かなりお勧めの美術館です!!ミュージアムカフェではなんか話題のサンドイッチがいただけるらしい?今度ためしたい!
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2007年07月13日

パルマ イタリア美術、もう一つの都

国立西洋美術館に行ってきました!

「パルマ イタリア美術、もう一つの都」展を見るためです。

公式サイトはこちら↓
http://www.parma2007.jp/

なるほど、サブタイトルそのまんまだな、「イタリア美術、もう一つの都」だな、と思いました。こういうサブタイトルつける人ってセンスいいよね。もちろん、「看板に偽りあり」なタイトルとかも時々見かけるけど、このサブタイトルはこのパルマ展の意義をよく表現していると思いました。

この展示についてはTakさんのアートブログ「弐代目・青い日記帳」での記事がとても勉強になりますので紹介させていただきます!行った人も行く人も行かない人も必読!

http://bluediary2.jugem.jp/?eid=1052

読んでから行けばよかった、と、後悔…。

まあ、でも、自分のコンディションで自分の目で自分のペースで見ればいいさね。自分が見て、ああ素敵だと思えれば、それでいいのさ!


セクション2「コレッジョとパルミジャニーノの季節」に足を踏み入れるといきなりの力作ぞろいにかなりびびりました。

特に好きだったのはドラマティックなワンシーンを描いているコレッジョ(アントーニオ・アッレーグリ)《東方三博士の礼拝》、生き生きとした表情が魅力的だと思った同じくコレッジョ《階段の聖母》。パルミジャニーノ(フランチェスコ・マッツォーラ)の作品では《ルクレティア》が抜群に美しいと思いました!モチーフ的には心が痛むもので個人的には好きになれないのですが、でも美しい。金色の髪、透き通る白肌、そして、悲壮な表情。

あとセクション5の「バロックへ カラッチ、スケドーニ、ランフランコ」も新しい時代を感じてかなりよかったです。
スケドーニという人は、不思議に目をうばう絵を描く人でした。光と闇のコントラストは必ずしも写実的なものではなく、光の部分は内側から全体が発光しているような色を帯びている絵なのです。何枚かあって、どれもそういう不思議な引力をもっていました。

こういうふうに今まで知らなかった時期・場所の絵を見るのってほんと楽しいね〜!いつも思うことだけど世の中にはもっと知りたいことがたくさんあるな、と感じるわけです。


パルマ展のあとは西美の常設展をたっぷりみてきました!いやぁ、いつもながらおなかいっぱいになる…。松方さんはすごい人だったんですね。松方コレクションってすごいよね…。大好きな「黄色いアイリス」も帰って来てました。見る場所によってちょっと雰囲気が変わるのが不思議よね。

あとロマネスク美術の写真展もありました。これも見入っちゃうものばかり。こういう建築美術はなかなか見に行く機会もないし、素敵なカメラマンの手にかかるとかなりおいしい展示になるなあ、と思わされました。

ともかくそんなこんなで満腹ですよ!


西美前に咲いてた花。



ロダン〜♪



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2007年07月12日

金刀比羅宮 書院の美― 応挙・若冲・岸岱 ―

♪こんぴらふねふね、シュラシュシュシュ♪

ということで、行ってきました!
東京藝術大学美術館で開催中の「金刀比羅宮 書院の美― 応挙・若冲・岸岱 ―」!

私はつい最近まで「金刀比羅宮」は「こんぴらぐう」と読むのだと超勝手に思いこんでいて、「ことひらぐう」と読むのが正しいと気付いたとき、一人心中で赤面しました。ああ、人様の前で「今度、“こんぴらぐう しょいんのび”見に行きたいんですよ〜」とか言わなくてよかった!!とまあ、それはどうでもいい独り言であって。

藝大のサイトはこちら
http://www.geidai.ac.jp/museum/exhibit/2007/kotohiragu/kotohiragu_ja.htm

朝日新聞のサイトはこちら
http://www.asahi.com/konpira/

またどうでもいい独り言いうぞ。この朝日のサイトURLはkonpiraになってるけど、p音の前の「ん」は"m"で表記する、つまりkompiraと表記するのがいいのではないか。♪どーでもいいですよー♪(←もう古い?)

余談で記事が終わってもしょうがないので、ちゃんと感想を書いておきます。

金刀比羅宮の2つの書院の中の障壁画を持ってきて、そして、実際の部屋の様子を再現してみるという企画!私はてっきり持ってきた襖とかを展示ケースにべたーっと陳列するだけかなあ〜と思っていたので、この部屋の再現にはびっくり&感動!!面白い試みだって思いました!壁など、持ってこれない部分は複製でカバー。最初、複製展示なんて中途半端なことしないで全部貸してくれればいいのに、ケチだなあ、なんて思ってたのですが、途中で「あ、壁は持ってこられないんだ!」と気付いたわけです…こんぴらさん、ケチとか思ってごめんなさい…。


全部で11の間があって、応挙5つ、邨田丹陵2つ、岸岱3つ、若冲1つでした。


円山応挙ってのびやかで、気持ちよくダイナミックな絵を描くんだな〜と思いながら見ました。伊藤若冲のパラノイアな感じ(←これほめてんのよ!)と比較すると、というくらいのニュアンスですが。

応挙の描く虎さんは、なんだかまるまると肉付きがよくかわいい感じもするのですが、でも、勢いがあっていい感じ!「虎の間」というところに1匹だけいるホワイトタイガーが気になりました。あと、虎模様じゃなくて、豹っぽい毛皮のが1匹いたんだけど、あれも虎なのかな?

邨田丹陵の「富士二の間」がとても気に入りました!富士狩巻図という狩の絵が広がっているのですが、繊細なタッチながらとても迫力があり躍動感のある馬、人物描写もくっきりめっきりはっきり手にとるようにわかります。ドラマティック。これは結構好きだったかも。

奥書院のほうに行くと岸岱の絵があります。「柳の間」の柳の葉の描写がなかなか濃密で見入ってしまいました。それから一転して、といってもいいと思うのですが、同じ岸岱の「春の間」は可憐な作風。春の野の花を描いているのですが、同じ人が描いたとは思えないような気がしました。

そして伊藤若冲。壁一面に濃く美しい花がぼんぼんぼんと描かれています。この展示のサブタイトルが「応挙・若冲・岸岱」となっていて、若冲は1つの間だけなんだけど、名前が2番目に来てるよ!さすが世は若冲ブームだね、と思っていたのですが、2番目に名前が来ても許してあげてもいいかなーと思わされるような、執念深い(←だから、これも、ほめ言葉。)絵でした。

地下2階に行くと今度は「金刀比羅宮 信仰の世界」と題して、こんぴらさん信仰をめぐる美術品がいろいろ展示されていました。こちらの展示も、博物館的なおもしろさがあって楽しめました!!

そんな中で私の心をずぎゅーん!ずぎゅぎゅぎゅーーーん!!!と射抜いたモチーフが!!!!!

それは、

「こんぴら狗」。

自分はこんぴらさんにお参りにいけないっていう人が、わんちゃんの首にお金とかをいれて、こんぴら参りする人にお願いしたり、はたまた道中出会う人に面倒見てもらって、で、そのわんちゃんがお宮に着いたらその首の袋にお札(ていうのかな?)をいれてもらって、そして、帰ってくるんだって!!かわいすぎない???なんか、はっはっとかいって、しっぽふりふり旅をしているわんちゃん!!みんなに可愛がられて旅をするワンちゃん!!!まじねー、想像しただけでキュン死しますよ!

それで…


買ってしまいました、こんぴら狗…。


1000円しました。微妙に悩む金額だったのですが…。

で、でも…かわいい☆




別に自分の中にこんぴらさん信仰があるわけでは全然ないのですが、なんていうのかな、その旅は道連れ、世は情け、みたいな温かさにあやかりたいっていうか、私もこんなワンちゃんみたいな暖かい旅をしたい、こんなワンちゃんみたいな旅人がいたら気軽にもてなしてあげられる人でありたい、というような願いをこめて買ってきました。


こんぴらふねふねには乗らないけれど、こんぴらさんの美を満喫できる、とっても楽しい展示です!!




で、同時開催で「歌川広重《名所江戸百景》のすべて」も見てきました!!

藝大サイトはこちら
http://www.geidai.ac.jp/museum/exhibit/2007/collection200707/collection200707_ja.htm

先日ニューオータニ美術館で半分くらい見てきたので、すぐに全部見る機会に恵まれて、すごく嬉しかったです!!!

藝大的にはこだわりがあるらしくって、「広重が描いた順に見せます!!そこに広重ワールドの変遷を見ることができますから!!!」みたいな感じだったのですが、私としては…うーん、別に、「目録」のカテゴライズごと、季節ごとの展示もわるくないと思うけどな、そのほうが気軽にのりのりで楽しめる気もするよ〜?みたいなことを思いつつ、でもまあ、その藝大の心意気もわかるという感じで楽しませてもらいました。

そして…藝大の心意気に感銘を受けこれも買ってきました^^;



謎解きえどひゃくという本と共に!さあ、これ読むぞ〜♪

この図録は「目録」順に(小さいけど)全部を並べているページもあるので、両方の楽しみ方が出来るな、と思って買いました。結構解説も詳しいような気がしたし、1500円ってリーズナブルだなって思ったし。


とっても満腹の藝大美術館でした!






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2007年06月30日

プラハ国立美術館展

渋谷のbunkamuraに行って「プラハ国立美術館展 ルーベンスとブリューゲルの時代」を見てきました。プラハ国立美術館のフランドル絵画のコレクション展です。

“ブリューゲル”っていうのは1人の人のことではなくてピーテル・ブリューゲル(父)からはじまる芸術家一家のことをまとめてそう呼ぶみたい。なるほど、そうなのか、と勉強になりました。

イタリア・ルネサンス期の絵画とか19世紀フランスの絵画とか、普段「ヨーロッパの絵画」ていうとすぐに頭にひらめく絵とはまた異なる独自の絵画世界が広がっていて、とても興味深く見てきました!!

印象に残った絵を何点か覚書。

最初のセクション<第1章 ブリューゲルの遺産>ではいわゆるブリューゲル的なイメージのある絵が続きます。村の牧歌的な風景を穏やかで親しみやすいタッチで描くのだけど、宗教的な隠喩や人生に対する戒め的なモチーフがさらりと描きこまれている、そんな絵です。そのそこかしこに健在な暗喩っぷりは、この展示の作品ではないけれど《イカルスの墜落》などを思い出しました。ブリューゲルの絵は、まず自分の目で見て、よくよく見て、そっとキャプションを読んで「うーん、そういうことなのか」とわかったようなわからないような気にさせられ、そしてもう一度見る、という、やっかいな手間のかかる絵です、私的には。

ピーテル・ブリューゲル(子)の《東方三博士の礼拝》などは冬の村の風景の中に東方三博士を描き込むというちょっぴりユニークな描き方です。

<第2章 ルーベンスの世界―神々と英雄>ではシャルル・ウォティエ《若いバッコス》がとてもよかったです。若さが溢れる肉体を持ったバッコス。美酒の神というモチーフは人生を楽しむにはぴったりの画題だったのでしょう。きっと人気があったと思います。他にもバッコスが登場する絵、バッコスの従者が登場する絵などありました。

次のセクションは<第3章 ルーベンスの世界―キリスト教>。キリスト教と書いてるけど、プロテスタントの対立項としてのカトリックということで。カトリック応援絵、といった作品が多いわけですが、私の一番のお気に入りはヤン・ブックホルスト《聖母と眠る幼な子キリスト》です。これは母親の服装などは伝統的な宗教絵のマリアを踏襲していますが、表情といいその雰囲気といい、非常に親近感のわく、すごく身近にいそうな母子といった感じがするのです。眠る幼子もかわいいなと思いながらキャプションを読んだら、眠る幼子というのはキリストの死を暗示しているのだそうです。そういわれるとマリアの表情も憂いを帯びたものに見えてくる…。まったくもって“絵画の意味”というやつは難しいです。



<第5章 花と静物>はこれまた華やかで需要の高そうな作品が多いです!華やかな作品をメモする前に、落ち着いた雰囲気の静物画を一点メモ。ヤーコプ・フォブセン・ヴァン・エス《ブドウとクルミのある静物》。小さめの絵で構図ものっぺりしてる感じなのですが、これはブドウはキリストの受難、クルミが十字架の木という意味合いを持っているのだとか。さりげなく部屋に飾っておきながらも宗教的な気持ちを喚起させる絵だったのですね、きっと。

ヤン・ヴァン・ケッセル(父)(帰属)、ヘンドリック・ヴァン・バーレン(父)《果物の環の中のケレス》やヨリス・ヴァン・ソン、エラスムス・クエリヌス(子)《果物に囲まれた子どもの肖像》などは、人気あっただろうな〜という感じ。果物がとってもきれいだし、ケレスなんてすごく福福しくってめでたい感じがあふれてる絵。吉祥絵みたいなノリなのかなって思いました。

ちょっと毛色が変わった果物の静物画としてはヒリアム・ハブロン《果物と野菜のある静物》。これは素直に果物を構図の真ん中に持ってくるのではなく、ちょっと左に寄せて描いてあるところや、林檎が腐敗してきているところがなんだかユニークです。ブドウもたくさん描かれてるけどこのブドウにもやっぱりまた意味があるの?とか、この腐った林檎も何かの暗喩?とか考え出すときりがないのでやめときました。

鳥の絵も2枚ほど。ルーラント・サヴェレイ《鳥のいる風景》、ヨハン・ルドルフ・ビース《鳥のいる風景T》等を見ていると、ああ、この時代、鳥は生きたジュエリーだったんだろうなあ、なんて思わされます。

最後のセクション<第6章 日々の営み>では面白い絵を1枚メモ。それはテオドール・ロンバウツ《歯抜き屋(にせ医者)》。キャプションには人気のあったモチーフって書かれてたんだけど、なんでこれが人気のあるモチーフなのか、わからん、というか、こういうモチーフが好きだった当時のヨーロッパの市場は結構ユーモアやジョークが好きだったのか??と思ったりする謎の一枚。しかもミュージアムグッズでこれ絵葉書になってたし。私は買わんぞ、とか思いながら店をうろうろしてました。この絵何が一番可笑しいかって、歯を抜かれている人をあほ面丸出しで眺めている手前の男性。おかしすぎます!!

セクションごとにがらりと雰囲気が違って、まあ口悪く言ってしまえば、いろんなジャンルから総花的に持ってきたといえないこともないけれど、いろんな絵を楽しめる展示でした!フランドル絵画についてももっとよく知りたいな、と思わされたひと時でした。

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風俗画と肉筆浮世絵

たばこと塩の博物館に行って「風俗画と肉筆浮世絵 館蔵肉筆画の精華」という展示を見てきました。

たばこと塩の博物館だけあって、たばこと塩に関するテーマの絵が多い!!さすが、こだわってる。でもそういう画題にしぼって展示されているから、例えるならば、美術館というより博物館的な楽しみ方ができました。って、あ、ここ博物館だったんだ。

展示物は全体的に言って、色があまりきれいに残っていなかったり、絵としてもめちゃくちゃ卓越してるってわけでもないものが多かったり、という感じでしたが、それでも昔の人の生活ぶりを垣間見ることが出来て楽しかったです。

もちろん、「お、これいいなあ!」と思うのも何点か。

《月次風俗屏風》は大きな屏風を12の場面に分けて月ごとの季節のイベントなどの様子を描いています。

英一蝶《東海道中通信使馬上喫煙図》ものびやかな筆遣いで描かれたいい絵。

《納涼美人喫煙》は煙管を吸う美女が艶っぽい。

奥村政信《男女遊楽図》は碁盤の代わりにしてる格子の羽織が粋だねえ!

《長崎丸山阿蘭陀人遊興の図》は当時の長崎は国際的だったんだよなあって感じさせる一品。通詞(つうじ)が書いたと考えられる横文字の説明書きがハイカラな雰囲気を出してます。

そんな感じかな。

入場料100円なんだよね。JTってさすがお金持ち。他の美術館と比べちゃ酷だけど、でも100円でこれだけ楽しめたら相当ありがたいていう感じの内容。
これも今週末まで!浮世絵ツアーしたい方はお早めに!

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江戸の四季 広重・名所江戸百景

ニューオータニ美術館で開催中の「江戸の四季 広重・名所江戸百景」を見に行ってきました!美人画とはまた違った風景画・風俗画(←浮世絵自体が風俗画でしょ、ともいえるけど、その、なんていうか、人々の暮らしの様子を描いた絵ていう意味での風俗画です)をとても楽しく見てくることが出来ました!

風景画なんかは、もし私がカメラ片手に観光していたら、こういう感じのところで写真撮りたくなるだろうなあ!みたいなことを思わせる、フォトジェニックな風景がたくさんあって、そういう意味で、ツボがおさえられてるなあ、というか、人気あっただろうなあ、と思うのです。

みんないいのですが、手前にぐっと近くものを配置して遠くに風景を見せる、という、勝手に命名「めりはり系構図」と私が思ってる絵を何枚かピックアップ。

《真崎邊より水神の森内川関屋の里を見る図》は丸い窓越しに隅田川を見ています。この丸い窓っていうのがまずもうすごく粋なんです。そして、窓の外に梅がちらほら、もいい。素敵です。

《吾妻橋金龍山遠望》は川の上からの視点、という感じで、手前側に屋根舟と芸妓がちらりと見えるのですが、ちらりとしか見えないんです、それがまたいいんです。

《亀戸天神境内》も垂れ下がる藤がとっても見事!




《深川洲崎十万坪》は鷲と一緒にスカイダイビングしている目線です。



展示順は前後しますが、他にも気に入った絵はたくさんあります。

《大はしあたけの夕立》は有名な絵です。とてもいいなあ、と思いました。画面の上半分に川岸、下半分に川の水面という画面構成もすごくぱりっとしていると思いました。




飛んでるホトトギスと風に揺らめく赤い旗(?)が印象的な《駒方堂吾妻橋》では解説に<君はいま 駒方あたりの ホトトギス>という句を意識して描かれたとかなんとか。この句、なんとなく女らしい気持ちが心をくすぐるなあ、と思います。

あとは窓から外を見ている猫ちゃんがかわいい《浅草田甫酉の町詣》。猫ちゃんがかわいいだけでなく、部屋の中の様々なものの配置がうまいのです。



展示品には結構近寄って見る事が出来てそういう点でも大満足。ただし、四季のうち、秋の絵だけはショーケースに入っていてちょっと遠かったのがさみしかったです。残念!

あと会場の片隅で実際の彫り・刷りの工程を映像で流していたんだけど、すごく面白くて見入ってしまいました。

とにかく、楽しい絵ばかり!個人的に先日太田美術館で気になった広重とはまた別の広重を堪能した気分で、ますます広重が気になります!!

これも今週末まで。お早めに〜!

ちなみにこれは前期に展示だったもの。
見たかったなあ。
ポストカードだけ買ってきました。



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肉筆浮世絵のすべて(後期)

出光美術館で開催中の展示「肉筆浮世絵のすべて」の後期分を見てきました。

「肉筆浮世絵」という言葉の意味などについてはこちらに解説を転載しておきました↓

浮世絵は、江戸前期に誕生し、幕末明治期までおよそ二百年以上栄えた、世界の美術史上にも稀な日本独特の風俗画です。遊廓と芝居小屋に取材し、遊女と役者を描くことを使命としたこれら浮世絵では、一般には版画作品がよく知られていますが、他方そこには数多くの絵画作品=肉筆画が存在しています。浮世絵師たちは、版画や版本のための版下絵を描く一方で、そのほとんどが例外なく一点制作の肉筆画にも筆を染めており、当世美人の艶やかな絵姿などが、鮮烈な肉筆画として数多く描き残されています。

ということで、「色彩がとても鮮やかな」「美人画が多い」という特色を持った展示だったと思います。いや、ほんとに、美人画のオンパレード!色がとてもきれいに残っていることにもびっくりしたし。

実は前半の美人画の洪水には結構おなかいっぱいになってしまったところもあるので(すみません!)印象に残った絵のメモ書きとしては後半の展示品からいくつかピックアップ!

礒田湖龍斎《箒持美人図》はお部屋の掃除をしようとしているのか、無造作に箒を持ってる女性の絵。着物の裾から見える白い素足にちょっとどきっとさせられました。

窪俊満《藤娘と念仏鬼図》は鬼の形相に目を奪われる一品。清楚で優しそうな娘さんと鬼と藤の花、どんなストーリーの話なんだろう、とちょっと知りたくなりました。

蹄斎北馬《墨堤二美人図》は傘が風をうける様子が素敵。

同じく蹄斎北馬の《五節句図》は美人が5人描かれていたんだけど、これは何かの寓意絵なのかな?五節句についての理解がないためそこまで読解できませんでした…残念!

歌川広重《煙管をもつ立美人図》は着物の裾にもぐりこんでる猫が可愛い!とまあ、猫がかわいいだけじゃなくて、着物の裾が床に落ちるあたりにかけてのライン、床の上に引きずってるラインがなんかおしゃれでいいなあ、と思ったのです。

あとはこの度初公開だった葛飾北斎の《樵夫図》《亀と蟹図》という絵もありました。とてもよかったです。《樵夫図》は右に森の絵、左に樵の絵が描かれているのですが、うっそうとした森の広がりを感じるし、樵がなんだかひょうきんな人のようなそんな感じも伝わってくるし、味のある一品でした。

北斎の《鐘馗騎獅図》というのがあったのですが、とても力強い絵、しかもこれを描いたのが85歳の時というから驚き!!

あと、覚えた単語がある。「遊女と禿図」という題材を時々見ますが、この「禿」。英訳で”attendant”と書いてありました。なるほど、付き人のことか〜。そして、「見立なんとか図」ていう絵も何枚か見かけて、この「見立」というのは”parody”という単語があてられていました。ふむ、これは歴史的もしくは有名な題材をモチーフにして描いてみた、みたいな感じなのね。キャプションの英語訳というのはひそかにわかりやすくて結構重要なヘルプだったりします。画家名が読めないときとかもローマ字表記で確認できるし。

ちなみに展示は浮世絵の発展の歴史がわかるように、様々な流派ごとに展示されていて歴史が俯瞰できるようになっていました。これ全部頭に入ったら、これからも結構浮世絵楽しめるかも、と思ったけど、ちょっと全部は覚え切れませんでした^^;

それにしてもほんと、たっぷり見た!という感じです。
今週末までなのでお早めに!

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2007年06月27日

浮世絵太田記念美術館

太田記念美術館で開催されていた(この記事を書いている時点でもう会期は終わっています)「ヴィクトリアアンドアルバート美術館所蔵 初公開浮世絵名品展」に行ってきました。



説明書きを転載します↓

ヴィクトリア アンド アルバート美術館(以下V&A)は、大英博物館とともにイギリスを代表する国立の美術館として、世界的にその名が知られています。その膨大なコレクションの中には、約2万5000点をこえる浮世絵が所蔵されていますが、今までその全貌は明らかになっていませんでした。しかしこのたび専門的な学術調査により、V&A美術館の浮世絵コレクションが、他にあまり例をみないユニークな内容であることが確認されました。本展では、その中から初公開作品を多数含む優品約170点を選び抜き、世界に先駆けて紹介いたします。歌麿、北斎、広重、国芳など、再び海を越えてイギリスから日本へと里帰りした巨匠たちの作品をお楽しみください。

ということです!

浮世絵もいいなぁ、図録ほしいなあ、と思いましたが、本展示の図録は売り切れだそうでした。まあ、会期最後だったしね。しょうがないか。今度、浮世絵について入門書みたいの探そうかしら。

感想は…やはり画題そのものが魅力的で惹かれるものが多かったです。

以下覚書。

喜多川歌麿《音曲比翼の番組 おつま 八郎兵衛》は夫婦の情がしっとり伝わってきていい感じでした。

見入ってしまったのは歌川広重の《浅草奥山 貝細工(鶴、兎ほか)》《同左(猿、鶏ほか)》《(枇杷に小禽)》などです。貝細工なんかは題材そのものが細かい作りこみをしてるんだとは思うんだけど、それにしても、歌川広重って風景画ではなく、こういう小さい細かいものを描いたら、なんていうか、キモ怖い迫力がある人なんでしょうか?

歌川広重について本がほしくなりました。

あと画題が個人的にヒットていうかホームランだったものは山田抱玉《(犬張子)》。犬のおもちゃ超かわいいです〜!!
そして礒田湖龍斎《(虫を捕まえる猫)》!!猫ちゃんを描いてるものは無条件で好きかも。そんなまずそうな虫捕っても食べられないでしょ〜ていいたくなるような感じ。こびない眼差しがまた愛おしいのです。

そのほか、すごい描写力だなあ、と思わされたのが喜多川歌麿の《画本虫撰》や《和?夷(わかえびす。漢字がわかりません、すみません)》です。虫なんかとても精密です。

版下絵などもたくさん出品されていて、特に題材的に面白かったのが歌川貞秀《新板早替両面化物》。なにやらユーモラスな化け物がたくさん描かれています。

今回の展示の見所のひとつとして「世にも珍しい江戸琳派の浮世絵
」ということで展示公式サイトにも取り上げられており、私がこの展示に行くきっかけになったブログさんでもピックアップされていたので、どんなものか、と興味津々みてきました。
…ありました。団扇の絵で酒井抱一《(蚊)》。蚊って…。うーん、私にはなにやらとてもシュールな作品に見えました…ごめんなさい、抱一さん。

他にも面白い絵がたくさん。浮世絵は海外に流出して云々…ということをよく聞きますが、こうしてまとめて里帰りしたものを見ると、ああ確かに海外に膨大なコレクションがあるんだろうな、なんて実感するわけです。

会期ぎりぎりの飛び込みでしたが、とてもよかったと思います!


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山種コレクション名品選 後期

前期でとても感銘を受けて後期もとても楽しみにしていた山種美術館の「山種コレクション名品選」に行ってきました!いやあ、前期もいいけど後期のほうがさらにパワーアップしてる。(前期は越路十景がたくさんありすぎてちょっとダレちゃったかも…なんて生意気なことを書いてみる)

前期の時なんとなく悩んで買わなかった図録も今回しっかり買ってきました!分厚いほうではなくこのコレクション名品選のために作った図録のほうです。こちらのほうがなんとなく自分的に大事にできそうな気がしたから。

感想メモ。展示順路の順ではありませぬ。

(伝)俵屋宗達《槙楓図》。木の幹のうねる具合、楓の枝の伸びる具合、とってもお見事でした!

俵屋宗達下絵・本阿弥光悦書《四季草花下絵和歌短冊帖》は素敵な合作。これ、元はもっと色鮮やかだったんだろうなあ。そうだとしたら、さぞ風雅だったろうなあ!花が短冊に咲き乱れていたもん。あと、こういう書も読めるようになりたいなあ、と思ったり。それは難しいかな。

鈴木其一《四季花鳥図》。これは図らずも、いえ、図ってかもしれないけど、前期の酒井抱一の作品と同じ場所にディスプレイされてました。前記後期通じて私の滞在時間が最も長くなった場所です!やっぱり好きだあ〜。構図が優れているのは当然のこと1つ1つのデザイン性にも斬新さがある植物群、その中にうずくまる鶏親子とおしどり(?)は細かく、そして艶やかに描きこまれてます。超いいです。

上村松園が2作でておりましたが、どちらもとても素敵。女性の鏡です。《砧》は例えるならば仏様のよう。着物の色がとても穏やかな色でこの女の人によく似合っていると思いました。

同じく松園の《牡丹雪》はまたまるで違った雰囲気の作品です。雪が傘に降り積もる中歩く二人の女性なのですが、雪の積もった傘の外側の色と、黒みがかった傘の内側の色の対比が画面のはじのほうでぱっと目をひき全体のダイナミズムを作り出しているように思いました。

速水御舟もたくさん出ていました。《炎舞》が目玉作品で素晴らしいのですが(他のもみんなすばらしいけど!)私が気に入ったのは《翠苔緑芝》と《秋茄子》。《翠苔緑芝》のほうはキャプションに「琳派的画面構成が云々」というようなことが書いてありました。確かに金地を背景に構成物の大胆な配置なんかが見たとき琳派っぽいと感じました。でも植物などのなんていうかつるんとした感じがオリジナルな感じだなあとも思いました!

《秋茄子》は個人的なノスタルジーかな。小さいときなすびを植えていて、そのとき葉脈がこんな感じの色合いに紫だったんだよなあ、と懐かしく思っちゃって。絵の葉は墨の濃淡で描かれているので色はのっておらず、画面の中の紫はなすの花だけなのですが、葉脈まで紫に見せる技には恐れ入るばかりです。

上村松篁《竹雪》!かわいい…。寒そうにしてる鳩がすごくかわいい…。雪の絵で寒い季節を描いているけど心がほこほことなごむ一瞬です。

東山魁夷《緑潤う》。色の魔術師、画面の魔術師。




もしかして前期も書いたかもしれないけれど、まさに「珠玉」という言葉がぴったりとあてはまる展示です!!
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2007年06月26日

東京国立近代美術館―写真と絵画と―

↑この記事の題名みたいなタイトルの展示がやってるわけではありません。念の為。これは私の気持ちを表しただけのサブタイトルです。

ええと、このブログでもしつこく登場していた、私が片思いしていた人、仮にK氏といたしましょう、が好きだと言っていたアンリ・カルティエ=ブレッソンの写真展が東京国立近代美術館で開催中でしたので、もう頭の中桃色になりながら行ってきました。写真家はロバート・キャパくらいしかしらない私ですが、前回勧められたエリオット・アーウィットの展示会にも足を運んだしね。人に恋焦がれるというのは行動力の源泉になりますわね、はい。

ご案内はこちら。
http://www.momat.go.jp/Honkan/Henri_Cartier-Bresson/index.html

見ていてね、ああ、この写真は絵画にはできない何かを可能にしているな、なんてことを思いながら歩いていたんです。でも、それは、20世紀、もしくはコンテンポラリーという時を表現するのに写真のほうが優れている、ということを言いたいわけではないです。そこに優劣はありません。写真と絵画、それぞれできることがあって、できないことがあって。そんなことを間近に見ながら会場を回っていました。

ありきたりな表現だけど、人間を描写することに非常に長けている。何よりも雄弁な一瞬を、その意味するところを最大に効果的に見る者に提示する構図で切り取る、その才能、恐るべし。


(↓えー、こっから先は、自分にしか書いてる意味がわからない、超独り言的な書き物になります。そんなもの、自分の手帳にでも書いておけ、という感じですが、そこはご容赦ください。)

そしてね、決定的瞬間が私に訪れたんですよ。
その決定的瞬間ていうのは、K氏は世界をどういう風に見ているか、K氏の思考回路はどんな風になっているのか、そんなことが雲間から太陽の光が一瞬差したように、ぱっとわかったような気がしたんです。それに気付いたとき、K氏が遠い遠い人のように感じられて愕然としました。K氏の人となりをつまびらかに説明して、ここで私がひらめいたこととの関連性を書くのはK氏のプライバシー侵害になるのでいたしませぬが、とにかく、私はK氏をまた少し理解できたような気になり、そしてそれによりK氏が遠くへ行ってしまったという皮肉なことになったわけです。決定的瞬間、それは、失恋の瞬間だったんでしょう。もちろん半年前に好きだと伝えて断られたときが立派に失恋の瞬間だったわけですが、今日私に去来した感情こそが本当の意味での失恋だったのかもしれない。好きだった人が好きと言っていた写真の前で、突然の喪失感に打ちひしがれて、ちょっと涙が出そうになりました。

(↑はいはいはい、意味不明な書き物、ここで終わり。はいのはいのはーい!)


まあ、そんな感じで、超ブルーになりながら写真を見終わったわけですよ!

で、気を取り直して、同じく近美の4→2階で開催されている所蔵作品展へ!

「所蔵作品展 近代日本の美術」
http://www.momat.go.jp/Honkan/permanent20070605.html

ちなみに同時開催中の「アンリ・ミショー展」は自分的にスルーだったんですが、見たほうがよかったのでしょうか。

まあ、それはさておき、これ、すんばらし〜!ブルーも一気に吹き飛んだわ!失恋しようと自分は自分、元気に生きていけるわ〜て感じで!写真はトラウマだからしばらく絵画ばっかり見よう。

他の美術系ブログさんでアンリ・ミショーの評判を見てから(←非常に日和見主義)自分にあってそうだったらもう一度足を運んで、そしてこの所蔵作品展ももう一度みたらいいさね!

てなわけで好きな作品覚書。

菊池契月《鉄漿蜻蛉》。非常に涼やかな、少し物寂しげな、植物群と人物像の合い間をトンボが黒い影のように飛んでいる、素敵な作品!

土田麦僊《湯女》。セクシーです。下世話な例えだけど、覗き見しているような背徳感を感じさせるセクシーさ。こんな絵に描かれたモデルとなった女の人はどんな人だったのだろう。藤の花もとても美しい。

藤田嗣治《五人の裸婦》。これは藤田嗣治カラーに無条件にKOされたって感じかしら。

伊藤深水《露》。女性3人もめちゃ美人なんだけど、周りの花が精密だし華やかだし、目を奪われます。

上村松園《母子》。優しいお母さんて感じですごく心が温かくなる。私の中での上村松園ブームがしずかに巻き起こってそうな予感。

東山魁夷《青響》。色が綺麗。て、私が東山魁夷の作品を言葉で表現するとき、いつもそれしかでてこなくて、非常にボキャブラリーが貧困だなあ、と思うわけですが、ほんと、色が綺麗なの!

加山又造《春秋波濤》。桜と紅葉とがいっぺんに見られる。非常にゴージャス。私の好きな感じのゴージャスさ。

堅山南風《白雨》。鯉のぬぅっとした迫力が印象に残っています。

あと、岸田劉生特集ていう小コーナーもあって、そこにあった麗子ちゃんが生まれる直前に仕上げた自画像がすごく心に響きます。

いい絵たくさん持ってるなあ!という感じでした!!
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2007年06月22日

水と生きる 前期

サントリー美術館で開催中の「水と生きる」展の前期分を見てまいりました!

中期・後期と展示替えがあるので、足しげくミッドタウンに通うことになりそうです。ミッドタウンに行くのはいいんだけど、あまりお店とか見ないで出てきちゃうのよね〜。サントリー美術館のある建物のエスカレーター付近のお店をのぞくぐらい。なんか広そうだからどちらに足を向けていいのかよくわからなくてしり込みしちゃうというか。前もっていきたいお店とか予習していけばいいのかな?

「水」といえば、先日行った横浜美術館の「水の情景」も水つながりの企画だったなあ、と思いつつ。今回も水と隣り合わせの人の生活の様子や水そのものを表現した作品をいっぱい見てきました。“和もの”が多かったから、個人的にはこちらのサントリーの展示のほうが好き。

特に印象に残っている作品の感想メモ。

歌川広重(初代)の《江戸高名会亭尽》!これも入れ替えがあるから全部見逃したくない!水の風景も楽しめる粋なお店〜て感じの絵です。私が雑誌で素敵なお店の写真を見て「おしゃれだなあ、行きたいなあ」て思うのと同じように、これを見て「うーん!こんな店いきたいぜ!」とかいう気持ちをかきたてられたのかな。ていうか、私もこんなお店行きたいです。

そして!狩野永納《春夏花鳥図屏風》!!花のきれいなこと、鳥のかわいいこと、そして全体の雰囲気のデコラティブでゴージャスなこと!狩野派の作品とかたくさん集めた展示に行きたいです。なんか、いい女になれそうです。…ていうことは、やっぱり秋に京都で狩野永徳展に行くべしってこと…?それはともかく、これは前期の中で、私的超ツボ作品。

《亀流水蒔絵湯桶》という作品に表現されている亀さん、なんだかこわい顔をしています。厄除けにききそうなくらい、なんか、一筋縄ではいかない面構え。これはちょっとあくがあります。

《波兎漆絵盆》はモダンなデザインが不思議な印象を与えるものです。制作年代とかを隠されてクイズにされたら私ならまったくわからないかも。

《芒桐紋蒔絵箪笥》は秋草の上の露の割には粒が大きく、なんだか派手さを感じます。はかなさより大粒の宝石みたいな輝きを感じたり。この表現はこれはこれで好きかも、なんて思いながら見てました。

あとは切子関係はいつ見ても変わらぬ驚きの美しさ。藍色ちろりさんもお目見えです。

暑い季節に「水と生きる」、いかがでしょうか☆




posted by はな at 06:19| Comment(3) | TrackBack(3) | 美術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年06月21日

大回顧展モネ

新美術館で開催中、というより、もうすぐ会期が終わる「大回顧展モネ」に行ってきました。

「大回顧展モネ」ていう響き、なんか、「首都大学東京」みたいな響きがある。なんとなく、語の並び方として。

まあ、そんなどうでもいいつぶやきはおいといて、と。

平日なのに混んでた!!いやぁ、混んでた!まじで混んでた!!さすがモネ!!
でも、展示室自体が大きいのか、モネの絵を“鑑賞”するにはある程度はなれたほうがいいからか、意外と人ごみも苦痛ではありませんでした。種明かしというかゲノム解析するためにはやっぱり近寄る必要があるけど、私は遠くから「いいな〜」て見るだけでいいや、と思って、垣根の外から見てました。ファイティングスピリッツに欠けてる?

そういう瑣末なことはおいといて、とりわけ印象に残った絵について感想メモを書きます。

雪の絵が何枚かあったけれど《かささぎ》が構図の面でも色彩の面でもすとんと私の中に納まってきました。雪はやっぱり光る純白がいいかな〜という感覚が私にはあるようです。

構図といえばちょっとインパクトがあったのが《ボルディゲラの別荘》という絵。画面の中ほどを切り裂くように植物が伸びてる。ちょっと不思議な印象を受けました。

《ジヴェルニーのモネの庭、アイリス》がとっても綺麗でした。私実際に晴れてお日様さんさんの花咲く公園とか好きだし。アイリスに注ぐ光のコントラストがとても綺麗。

水面をとらえた絵のなかで特に好きだったのが《ポルト・ダヴァルと針岩》。ああ、澄んでる水ってこういう色をしているよな、て思い出させる絵でした。

《大運河、ヴェネツィア》は水面から出てるくい(?)の構図の中における配置がスマートというかダイナミックというか、うまいな、と心惹かれました。

「チャリング・クロス橋」というところを描いた作品が数点出ていました。どれも美しく、その数点の絵それぞれから受ける印象を自分の中で統合して、ああ、チャリング・クロス橋ってきっとこんな風なきれいな風景なんだろうな〜と想像してました。私のお気に入りは、紫のもやが美しくかかってる、吉野石膏株式会社が持ってる1枚です。色が好きなのかな?

そして!!私的目玉が《黄色いアイリス》!!いえーい!!これを初めて見たのは西美の常設にてです。これはいいよ。大好きなんだよ。キャンバス自体が縦長ではあるんだけど、このごうごうと上っていく流れの中にあふれてこぼれるように輝く黄色いアイリス。これは私の中で超名作。

睡蓮シリーズの中では和泉市久保惣記念美術館所蔵で、夕日の色(たぶん)が映えてる1枚が印象に残りました。なんか火事みたいでちょっと怖い感じもする。これは正体不明の赤色というものが本源的にもつ、人の心に働きかける力の強さの勝利ということで。

展示全体の構成に関して思ったことを。どなたかのブログで先に読んで心のどこかに残っていた事柄かもしれませんが、なんかセクションわけがちょっと…ではないかと。こんな、いまいち「いいねぇ!斬新だねぇ!」ともいえないようなビミョーな分け方をするより、素直に年代順に並べたほうがよかったんじゃない?みたいな。きっとそのほうがすんなり盛り上がれたと思います。なんか時間軸をあっちゃいったりこっちゃいったり引っ張りまわされたような気がして…。

でもその不満は前半の話。後半の連作、同じモチーフの絵を並べるというのは、私は楽しめました。

モネたっぷりの展覧会、もうすぐ終わってしまうのでお早めに〜!
posted by はな at 19:40| Comment(19) | TrackBack(17) | 美術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年06月09日

横浜美術館 水の情景

横浜美術館に行って「水の情景 モネ、大観から現代まで」展を見てきました。私、こういう、一見ちょっと「えー」と思うようなテーマの下に集められた展示って好きかもしれません。思いがけない出会いがあったりするから。

結構コンテンポラリーアートがそこかしこにあったような感じがしますが、やっぱり認識してしまったのは「私はいわゆる絵画が好きなんじゃ〜」ということです。それとあと、写真より絵画が好きみたい。作品の前における滞在時間を比較するとそういう結論になりました。

今回特に好きだな〜と思ったのは川瀬巴水の《東京十二題》、堅山南風の《魚楽図》といったところです。そう書き出してみるとセクション1にかたまってるみたい。

そして、今回の特筆すべき出会いは丸山直文!!《Lake"reverse forest"》《Island of Mirror》《path3》といった作品が出品されています。時代で言えばまさにコンテンポラリー、今の画家さんですが、私、大好きになっちゃいました!!(て、別にアーティストを時代で差別してるわけじゃないけどさあ。)なんていうか、私の思い出や幻想の中の風景はこんな色彩をしているかもしれない、て思わせてくれるような、不思議な美しさがある作品なんです。この人の展覧会とかあったら行ってみたいな〜!!

あと、いきなりアンリ・カルティエ=ブレッソンの写真が出てきてびっくりした…今それ私の痛いところなんだから、そういう心臓に悪いことはしないで…。

それから写真といえば沢田教一の有名な写真もありました。私、写真は全然知らないけど、沢田教一のこの1枚くらいはしってるわよ!みたいな。《安全への逃避》という1枚です。

で、話変わって、今の横浜美術館、コレクション展にかなり大量の作品が出品されてました!!びっくりびっくり!と、いうても、実はそのうちの何割かは今開催中の「横浜フランス月間2007特別展示 フランス美術の愉しみ」という展示にとってかわられてるのですが。

それはともかく、すごく見ごたえがあったのは「風俗画と物語絵」のセクション!これはいい、全部いい。画家の名前で覚えているのは歌川(月岡)芳年《風俗三十二相》とか上村松園とか。でもほんと全部いいの。これここの美術館でもってるということよね?いいね〜。また見たいな!
posted by はな at 15:24| Comment(0) | TrackBack(1) | 美術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年06月06日

畠山記念館

今日は畠山記念館で「春季展 琳派 四季の“きょうえん”」を見てきました。畠山記念館とやらは行くのが初めてだったので、超迷いました。死ぬほど迷いました。遭難するほど迷いました。ちなみに帰り道も迷いました。私は重度の方向音痴です。

お庭もすごく綺麗で、すばらしいところでした〜!



先日京都で細見美術館に行った折に琳派の本を買ってしまってから微妙に琳派熱に浮かされてます。なんか「りんぱねつ」って発音すると、耳の下とか腫れてそうなイメージが…そんなこと考えるの私だけやね、すんません。

それでこの展示を見つけて急いで行ってきたわけです!!

展示は工芸品が多くて、絵画は思ったより少なかったかも。そして、私が前述の本を見てからひそかに熱烈に惚れてる酒井抱一が…ちょっとしかなかった…。でも、あっただけうれしかったかも!《風神雷神図》です。もちろんあの有名な作品へのオマージュです。

欲を言えばね、抱一の《十二ヶ月花鳥図》というのがすごく見たかったんですよ。でもね作品入れ替えでもう仕舞われてたのが残念…。はぁ…。ないものねだりといえばそれまでなんだけど…残念…。だからこれは悔し紛れにポストカードで全制覇しました(←おばか)。12枚買ったわけだ。それだけ出費するなら図録買ったほうがいいんじゃない?みたいなね。でも、このポストカードをしゃかしゃかシャッフルしながらぐひひひと喜んでるからまあコストパフォーマンス的には悪くないんじゃないでしょうか。

この不完全燃焼ぶりはねえ…なんかまた秋に京都に行きそうな予感、というか、悪寒がぞくぞくとするわけです。京都の細見美術館でまたかなりそそられる展示が…。

7月14日〜9月17日 珠玉の日本美術 細見コレクション・リクエスト展07(←琳派だ、若冲だ、とあおってくる…)

9月22日〜12月16日 琳派展10 神坂雪佳(←この人、かなりいい絵を描く…しかも狩野永徳展と時期的にタイミングがいい…)


あーあーあーあー。どうする?と悩んでます。
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2007年06月03日

山種コレクション名品選 前期

今日もまた会期最後の展示にすべりこんできました!
今日は山種美術館!「開館40周年記念展 山種コレクション名品選」として展示が開催されています。前期後期で作品総入れ替えで、今日は前期の最終日でした。

どれも逸品ばかりで、これは後期にもかなり期待しちゃうというものです!ミュージアムショップでは今回の40周年記念の図録と美術館所蔵品を網羅する図録が売られていて、まあ、当然後者のほうがお値段は高いわけですが、うーん、どっちを買えばいいのだ、と悩むことしきり。旅行から帰ってきてちょっと財布の紐を固くしてるところだから…。この難問は後期を見に来たときまで持ち越されそうです。

と、ミュージアムショップの話を先に書いてしまいましたが、展示について。横山操の《越路十景》は大作でした!これ見ながら気になってたのはみんな製作年(?)が同時なんだけど、まさかこの10枚を1年で仕上げたの?もしそうだったら、やばすごくない?それともこの年表示は発表年ということ?なんていう、絵そのものとはちょっとはなれたことをどぎまぎ考えながら見ていました。

私の好きな東山魁夷もありました。東山魁夷は色合いが絶妙だと思うのですが、いかがでしょうか。

あと、京都でお会いした福田平八郎も。「また鮎だ(笑)」みたいな感じでしたが。

ほんとねえ、まさに珠玉という言葉がぴったりくる感じで、出品数は少ないんだけど、どれもほんとに、素晴らしかったんですよね。
上村松篁《白孔雀》、《名樹散椿》をはじめとする速水御舟作品、上村松園もよかったし、キャプション読んだら好きにならざるを得ない北沢映月の《想(樋口一葉)》なんかもいい。


その中でもね、個人的に圧巻だったのが酒井抱一の《秋草鶉図》!!!きたきたきた〜琳派きた〜!!て感じですっ☆京都の細見美術館で琳派の本を買ってから自分の中で静かな琳派ブームがきてるから、早速一作見られて超幸せ!超きれい!超ゴージャス!超おしゃれ!超うまい!ていうか、この月、アバンギャルドすぎません?もうねー、これが私の中で目玉作品だったかも。見ることが出来てほんとよかったです。

でも《秋草鶉図》、絵葉書はいけてなかった。これはちょっといただけなかった、買えなかった。

そのかわり、かわいい猫ちゃんを2枚!猫ちゃんかわいい〜超かわいい〜!!





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