2008年03月05日

ウルビーノのヴィーナス

駅などで「こんなんいいんですか?」と目のやり場に困るような広告を展開している、「ウルビーノのヴィーナス 古代からルネサンス、美の女神の系譜」展を見に、国立西洋美術館に行ってきました!初日にです!!フットワーク軽いな、自分!(会期:2008年3月4日から5月18日まで)

ヴェネツィア派の巨匠・ティツィアーノの《ウルビーノのヴィーナス》を筆頭に、西洋美術の歴史の中に花開いた「ヴィーナスの表象」をたっぷり楽しめるラインナップになっております。



順を追って気に入った作品をメモしておきます。

まず古代の壺が美しかった〜。紀元前400〜300年あたりに作られたものが出ていました。アッティカ赤像式ヒュドリア(水瓶)《アフロディテとファオン》と名づけられたものとアプリア赤像式レキュスト(香油壺)《エロスに授乳するアフロディテ》という名前のものがあって、すごい繊細で細い線で人物とかが描かれているのだ。2000と数百年も前なのに、こんなすごいことができる人がいたなんて!匠の技だなあと思いました。

ぐぐっと時間軸に沿って先に進んで、ミケランジェロの下絵にもとづくポントルモ(本名ヤコポ・カルッチ)《ヴィーナスとキューピッド》はなかなか他にはない感じでした。なんといってもヴィーナスがマニッシュ。なんかたくましい。しかも顔が男前。あと、気になるのが画面左下のほうにある箱っぽいものの中に入ってる小さな死体っぽいもの。何これ?誰かお詳しい方教えてください。

そしてそして!今回のヒロインがでてきますよ〜!
ティツィアーノ・ヴェチェッリオ《ウルビーノのヴィーナス》!
いやー…ほんとに、ほんっとに綺麗だった。
前もってパンフレットやポスターなんかの印刷物みても「きれいだなーきれいだなー」って思ってたけど、本物の美しさは、これはもう、びっくりした。なんかため息ついて、くらくらと頭を軽く振りたい気分。これはほんと、名作といわれるだけあるわ。いやー、いやー、ほんとにきれい。語彙が貧困でごめんなさい。完璧な美しさをもっている女性の体がほんのり発光しているようなんですよ。女の私なんかが見ると「女性の体ってこんなにも美しく表現されるんだ」ってうっとり思っちゃうけど、男の人が見たらどう思うの?「いーねー♪」みたいな感じ?(すみませんね、下世話な質問で。)それともここまできれいだと美しすぎて圧倒されちゃう?これは男性鑑賞者の本音トークを聞いてみたいところです。
彼女が横たわるベッドもシーツとかきちっとしすぎてなくてリラックスした感じがする。なんていうか女神というより肉感を感じるんだよね。あとね、もちろん薔薇は描かれているんだけど、絵全体から薔薇のようなイメージがむんむん伝わってくるんだけど、その秘密は何かなって思ったら、各種「赤」がいい感じに使われてるからって感じやろか。ベッドの赤、薔薇の赤、唇の赤、そして、個人的に意外と大事だと思ったのが侍女のドレスの赤。これをつないだ弓なりのゆるやかな赤のカーブが画面をぱあっと横切っていて、それが画面全体に薔薇のイメージをもたせるように思った。
とにかく、そんなこんなで、綺麗なんですよ!

《ウルビーノのヴィーナス》熱も冷めませんが、次に行きます。

ティツィアーノ・ヴェチェッリオと工房《キューピッド、犬、ウズラを伴うビーナス》。解説によるとウズラは欲情や多産の隠喩なのだそうだ。そういわれると、なんとなくウズラが俗っぽい顔をしているように見えるから不思議です(笑)

“ヴィーナスとアドニス”と“パリスの審判”をモチーフにした絵を集めたコーナーで、個人的に一番優美だと思ったのがルカ・カンビアーゾ《アドニスの死》。色がシックで、悲運のドラマを演出してる感じで、何よりこのヴィーナスの顔が美人だと思った。

パオネ・ヴェロネーゼ(本名パオロ・カリアーリ)《息子アンテロスをユピテルに示すヴィーナスとメリクリウス》ていう絵は「ヴェネツィア派」ということで、ほんと、画面全体が晴れやかに鮮やか。あと、登場人物の描写も魅力的だしなー。ヴィーナスの体にかかってるのはちぎれた首飾りなのかな?なんかそれがドラマティックにセクシーに見えた。あと、ママの衣装にかくれてやんちゃしてるお兄ちゃんが超かわいい。弟と仲良くね♪

アンニバレ・カラッチ《ヴィーナスとキューピッド》。天井を装飾するものだったとのこと。天井飾りにふさわしい斬新な構図、きれいな色使い。そしてね、目が大きくて金髪の巻き毛もかわいくて髪飾りもきれいで、なんだか少女マンガみたいって印象的でした。

ラファエッロ・ヴァンニ《キューピッドを鎮める「賢明」》。展示を通して、美しく奔放に見えるヴィーナスばかりを堪能してきたけど、最後のこの一枚、なんだか「ママ・ヴィーナス」って感じがして、それまでとは違った好感を持ちました♪

ちなみにこの日は記念講演があって、ウフィツィにたくさんある美術館をまとめて監督しているお役所(?)のトップをしている、すごく素敵なレディのお話を聞いたんだけど、ウフィツィにはこんなにすごい作品があるのよ〜という話だったので、スライドを見て楽しむだけで、特にメモはとりませんでした。

とにかく力作ぞろいで、やっぱり西洋美術はがっつり、おなかいっぱいになるなあ、と思った展示でした!

posted by はな at 16:52| Comment(16) | TrackBack(9) | 美術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんばんは。

本当に奇麗でしたね。
現地で観るよりも感動が大きかったです。
展示方法も気配りされていてナイスでした。
また金曜の夜にでも今一度行ってみたいと
思っています。
Posted by Tak at 2008年03月06日 17:14
♪Takさん♪
Takさん、こんばんは!
実物は本津に綺麗でした〜!
ほんと、うっとりしたなーと今でも思い返せます。
空いている時間帯だったのも嬉しかったです。
展示、歴史的な変遷も面白かったですし。
私もまたいきたいです!
Posted by はな at 2008年03月07日 22:58
はなさん、こんにちは^^
ん〜、ウルビーノのヴィーナス、またもや先を越されました(笑) って初日に行かれたら負けもあたりまえですね(汗) 映画の初日なら負けないんですけど(←負けず嫌い) 上野だし、行くなら桜も一緒にセットっていいと思いませんか(笑)?
Posted by cyaz at 2008年03月10日 08:43
♪cyazさん♪
cyazさん、こんにちは!
これは講演会に申し込んでいたから初日にいったんですよ〜!^^;
でもやっぱり展覧会系は早めがいいですね。
意外と人も適切な人数でゆったり見られました!
桜をまってる人も多いだろうし、今回の展示はかなり広告もばんばんうってるし、4月はこみますよ〜(おどし・笑)
Posted by はな at 2008年03月10日 23:02
こんにちは。
私も先日行ってきました。
「ウルビーノのヴィーナス」、チラシなどで見るよりもはるかに美しかったですね。
ヴィーナスの顔が現代的な美人だったことにちょっと驚きました。
偶然人が少ない時だったので、とても贅沢に鑑賞できて嬉しかったです。
Posted by palpal at 2008年03月16日 09:41
♪palpalさん♪
palpalさん、こんにちは!
実物は印刷物をはるかにうわまわる美しさで驚きました。
チラシとかをみていた段階でも相当期待していたのですが、ほんと実物には驚かされました〜!
またいきたいくらいです♪
そういわれてみれば、ヴィーナスの顔、今油彩で肖像画とかを描いてもこんな感じになるかなっていうような現代ウケしそうな顔立ちだったかもしれません。
これを期にいろいろ勉強したいこともあるのでもう一度見に行きたいなーって結構本気で思ってます!
Posted by はな at 2008年03月16日 22:23
はなさん こんにちは
昨日、ウルビーノのヴィーナス、観てきました。
表題作は、本当に綺麗。私は色合いとかよりも、モデルのこんなところがいい!みたいな話になってしまうのですが、こういう女性に男は弱いんだろうなー、なんて思いながらデレデレして観ていました。(オヤジか?)
カンピアーゾの「アドニスの死」も、官能的でした。
ただ、今回は、私には知識不足で、楽しみきれなかったのが残念です。
TBも送らせて頂きました。
Posted by 曜子 at 2008年03月19日 16:46
♪曜子さん♪
曜子さん、こんにちは!
実は先日2回目見に行っちゃいました♪
たしかにこの《ウルビーノのヴィーナス》は、当時は今の「グラビア」的な楽しまれ方してたんじゃないかなーと思いながら見てきました。
今の世の中だってあの絵を見る男の人の目線と女の人の目線は違うと思ってます(笑)
カンビアーゾの《アドニスの死》、おきにいりなんです。
TBもお返ししに行きますので今しばらくお待ちくださいね!
Posted by はな at 2008年03月20日 23:02
こんばんわ。
ウルビーノだけでなんかずっと見ていられるなあという感じでした。
いろいろとメモ帳に記録したもののほとんど、ウルビーノのことばかり。
ああいうクオリティの作品を見ちゃうと、同じレベルのを見たいと思ってしまうから悩ましいですよね。
Posted by あおひー at 2008年03月26日 22:19
♪あおひーさん♪
あおひーさん、こんばんは!
確かに今回の主役はほんといつまでも見ていられる感じでしたね。
私も近づいたり椅子に腰掛けて遠くから見たりと、ずいぶんあの部屋に長く滞在した気がします。
ほんときれいでした〜!
Posted by はな at 2008年03月27日 22:48
はなさんこんばんは。私も先日行ってきました。あのヴィーナスはまさに魅惑的という言葉がぴったりの作品ですよね。明らかに誘っています。仰るように肉感的でした。

>小さな死体っぽいもの。何これ?

図録を見た限りではあの彫像は、悪徳や肉欲の苦しみの結末を示唆しているのだそうです。官能を示すヴィーナス像への戒めと言ったところでしょうか。
Posted by はろるど at 2008年03月27日 23:58
♪はろるどさん♪
はろるどさん、こんばんは!
同じ部屋の中でも千差万別、というか、あの《ウルビーノのヴィーナス》はちょっとセクシーすぎる美しさを放ってました!

あのミニ死体のこと、ありがとうございます〜!
私、図録買ったのに勉強してませんでした…^^;
お恥ずかしい…書籍代が無駄だなあ私><
なるほど、そういう意味があったのですね。
私も図録しっかりよまなくちゃ!
Posted by はな at 2008年03月28日 20:10
《ウルビーノのヴィーナス》、あの眼差しは反則ですよね〜(*^_^*) ポッ
綺麗なヴィーナスはもちろん見応えありましたが、
シーツや枕の質感もとても素晴らしい描写で見応えがありました。

ラストのラファエッロ・ヴァンニ《キューピッドを鎮める「賢明」》、
まさに、一目惚れ♪
この展覧会で一番の掘り出し物でした。(^_^)/
Posted by りゅう at 2008年04月29日 03:24
♪りゅうさん♪
これ、母を連れて、会期末にもう一回いってくるんです。
こみそうだな〜^^;
ウルビーノのヴィーナスの眼はこちらをからめとりすぎですよね!
女性の私でもぽーっとするのに、男性はさぞかし…と思います。
《キューピッドを鎮める「賢明」》もラストセクションを締めくくる良品でした!
私も好きです☆
Posted by はな at 2008年04月29日 13:23
こんばんは
はなさんから実に二ヶ月遅れで観てきましたよ〜
予習して行くつもりが時間切れの突撃見学で、色んな妄想に耽りながら見ました。
キューピッドの可愛さにキュンキュンしました。
特に髪を梳いてもらう姿。
奔放ママと腕白小僧が、たまには優しい時間を持ってる、みたいな。

夜間開館見たんですけど、大繁盛でした。
Posted by 遊行七恵 at 2008年05月08日 00:19
♪遊行七恵さん♪
七恵さん、こんにちは!
返事が遅れてしまってほんとごめんなさい><
まったくなってないですね…。

こういうジャンルの絵って、予習して正統派的に鑑賞するのもいいけど、見たまんまうけとめていろいろ妄想(笑)するのも楽しいですよね!
キューピッドはいたずらっ子という感じですね〜♪
画面のおいしいところで、良い味だしてくれてる、て感じでした。
髪を梳く絵もよかったです^^

GW中のご旅行ということでしたが、混雑されていたのでは〜と思います!
夜間でも混んでいたのですね><
さすが!
Posted by はな at 2008年05月09日 11:01
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