2008年03月02日

山本武夫展 美人画と舞台美術

目黒区美術館で開催されている「山本武夫展 美人画と舞台美術」を見てきました(会期:2月9日から4月6日まで)。

山本武夫という画家さんは知らなかったのだけど…同時開催されていた所蔵作品の展示(藤田の絵がたくさん)にふらふらと引き寄せられて行ってきました。

「知らなかったのだけど」だけじゃ失礼なので、目黒区美術館のサイトから説明を引用させてもらいます。

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山本武夫(1910〜2003年)は、東京美術学校(現東京芸術大学)図案科在学中から小村雪岱に師事して舞台美術を学び、後に歌舞伎座などの舞台美術、舞台衣装を手掛けるようになりました。
美術学校を卒業後は、師・雪岱の推薦で資生堂意匠部に入り、グラフィックデザインを担当。その他に、新聞など時代小説等の挿絵の仕事も多く残しました。 日本の伝統的な美人画を現代的な国際感覚を取り込んで華やかに描き、江戸情緒を引き継ぎながらも、明るく親しみやすい独自の世界を創り上げたのです。
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2階が展示室なのですが、階段を上った真正面にまず1枚素敵な美人画がかけられていて、「おお、この美術館、なかなかセンスがいいんじゃないか」とか思ってしまいました。

美人画の作品群はもちろんその名の通りどれも美人ぞろい。切れ長の目だけれど、黒目勝ちっていう要素がちょっと新しさを感じさせるなあと思いました。

山本の描く美人画はなんだかちょっと頭の大きさと体の華奢さのバランスが不思議、顔の印象がばばんと前面に押し出されている、という感じなのです。それがちょっと気になった。

あとは展覧会のメインイメージにも使われている《シダル幻想》。これは並ぶ美人画の中でもやっぱりちょっと特異。19世紀末、ラファエル前派のロセッティが描いたエリザベス・シダルを基にして、とのことだそうです。



そういういわれを聞くと、伏し目がちの目、なんとなくすっと通って形のいい鼻が西洋的な雰囲気を感じさせます。

ちなみに、これは美校(だっけかな?)の修学旅行の時に描いた弥勒菩薩のデッサンとの共通性が感じられると学芸員さんがおっしゃってました。

他には本や新聞小説の挿絵がありました。本の挿絵の原画は色が塗られていたけど、これは本もカラー印刷されてたってことかな?素敵な本だったろうな〜。『小説江戸歌舞伎秘話』という本の挿絵の街並みにかかるピンクと水色の雲が特にお気に入りです。

舞台芸術ということで書割の原案の絵がたくさん展示されてました。『蝶の道行』という舞台はずっと手がけていたみたいで、何年分もの図案があります。その変遷がわかって面白い。

あと、書割だけじゃなくて小道具の扇子の図案とかもあった。それと感心したのは、もちろん仕事でいろんな人に情報伝達するための紙だから当然といえば当然なのだけど、説明の字が丁寧、説明そのものも丁寧。あー、きちんと仕事をする誠実な人だったんじゃないかなって思いました。

順路の最初に飾られていたポートレート写真、まぶたは二重(三重くらい?)でくっきりしてるんだけど、全体的にすっきりした、端正な面立ちの方でした。丁寧な仕事ぶりだし、きっと周りからの信頼もあるいい人だったんじゃないかなーって勝手にプロファイリングしてみました。



あーとーは!
所蔵作品展のほう。藤田嗣治、予想外の出品点数!!もう、うはうはですよ!結構、タイムスパン長く、いろんな作品が出てました。ドライポイントの《猫のいる自画像》っていうのも見ることが出来たんだけど、これって、油彩画であるよねえ?ちょっとあとでしらべよっと。なんかもう、プチ藤田嗣治展って感じで、めっちゃ満足、ぶっちゃけ恍惚。

他にもいろいろな画家さんが出ておりましたが、ごめん、ちょっと今日はあまり私の意識にはいってこなかった。

こんなに藤田作品もってるとは、目黒区美術館おそるべし。
posted by はな at 21:52| Comment(4) | TrackBack(4) | 美術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんばんは
いい展覧会でしたね〜
わたしあやうく見逃すところでした。←ウカツ。
未知の画家かと思えば、仕事のほうは既に見ていて好きなものも多かったりという・・・←ソコツ。

目黒はいいのを多く持つくせになかなか出してくれないんですよね・・・残念。
Posted by 遊行七恵 at 2008年03月02日 22:33
♪遊行七恵さん♪
七恵さん、こんにちは!
古い美しさと新しい美しさが同居するような、不思議な魅力の美人画がとてもよかったです。
挿絵や舞台のほう、もう見られていたんですよね!
さすが、遊行のお名前が光ります〜♪
私は今回目黒区美術館に行くのがはじめてだったのですが、常設展みたいのしてくれたら通うなあって思いました!
Posted by はな at 2008年03月03日 10:14
こんばんは。
山本武夫の字は本当に丁寧でした。
職人芸というところでしょうか。
目黒美術館のような静かな環境で
アートにひたれる時間は至福の時です。
Posted by とら at 2008年03月03日 21:03
♪とらさん♪
とらさん、こんばんは^^
あの字をみると、この人、仕事に対して誠実だったんだろうな〜って思います。
そういう姿勢そのものの美しさ、みたいのが、いろんな作品に波及してる感じでした。
目黒区美術館、はじめていったのですが、いいところですね〜!
すごく落ち着きます!
Posted by はな at 2008年03月04日 22:57
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