2007年10月14日

「川合玉堂展」

私のお気に入り美術館の一つ、山種美術館に行ってきて「川合玉堂展」を見てきました。これまで川合玉堂は見たことあるかもしれないし、その時その時によって、気に入ったり素通りしたりしてきたんだと思うけど、これだけまとめて見ることが出来たので、川合玉堂の名前はしっかり私にインプットされました。なんといっても、ほんといい絵。すごく癒されるというか、心が落ち着いて清らかになるというか。最近「脳内FBI・勝手に画家のプロファイリング!」という試みが自分の中だけでひっそりはやっているのですが、まあ、つまり、絵を見てその画家さんの人となりを勝手に想像・妄想するという遊びなわけです。その私の勝手な脳内プロファイリングによると、川合玉堂氏は誠実で真摯で人間ができていたと思う。そんなことを感じさせられた展示でした。






印象に残った作品を出品リスト(制作年代順になっております)の順にメモしておきます。

まず若い頃に描いた《鵜飼》。1895(昭和28)年の作品です。自然の見事な描写!気合はいってるな、て感じです。その自然に囲まれて漁にいそしむ鵜飼たちの様子が生き生きと明るく描かれていていい作品。実は鵜飼の絵は他にもあってだいぶ年をとってから描いた、1948(昭和23)年頃の《鵜飼》もあります。これはもっと小さい画面の絵で、太い線でわしわしと描いてる感じでだいぶ雰囲気が違うのですが、それでも、鵜飼の活気ある漁の感じは健在!

《山雨一過》は実にすがすがしい絵です。峠の様子を描いているのですが、雨上がりの心地よいさわやかな気持ちが伝わってきます。さあ、旅を続けるか、ていう感じ。

《荒海》は絵としてもとても力があるのですが、解説を読んでふーむと思わされました。国民の戦意発揚を目的とした第7回新文展(戦時特別文展)に出品したものなのですが、この回は、国土をたたえるものにしろ、とか、戦意を発揚するものにしろ、とか、そういう注文がついてくる。その中で描いた荒海の絵。これを描いたときの川合玉堂の心中はどんなんだったんだろうとしばし思いをめぐらせました。

戦後間もなく描いた《観世大士》。墨でさーっと描きあげた感じの絵。仏教関係のモチーフよね?詳しいことはわからないんだけど。でも、とても穏やかで気持ちが落ち着くような絵でした。

《水声雨声》見事だなあ〜!やわらかい雨が降っている様子を表現する技術がすごい!絵の中に手を差し伸べられたら、さーっと雨がかかってきそう。水車にかかる水も見事に表現されています。

《渡所晩晴》も好き。水墨の世界の上に植物が燃えいずる様子が淡い色使いで表現されていて、とても優しい。この人は自然から真剣に学んだんだなあと思いました。

あと、絵というわけじゃないんだけど、さらさらと書いた書にかなぶんとばったの絵が添えられているものがありました。《秋夜》と題されたもの。そこに書かれているのが味がある。「紙のうへにとび来はた於りかなぶんぶん絵にかけうたによめと飛びくも」。いいよね〜!こういう作品見ると草書が読めるようになりたいって思う。キャプションにつけられている活字を読んで、実際の書を見て、ああ、そう読むのかって理解できるんだけど、これ、自分で詠めるようになったらいいなあってつくづく思うよ。

話変わって。前回来たときは気付かなかったんだけど、入り口付近の壁に新聞・雑誌記事のコピーがはってありました。山種美術館3代目館長に就任された山崎妙子さんについて。素敵〜!!創業者一族の方なんだけど、慶応大学経済学部を卒業された後、藝大大学院で博士号までとられたそうです。専門は御舟とのこと。すごいなあ〜。美人だし、才媛とはこのことでしょう!絵にかいたようなスーパーウーマンだな。この人にお目にかかりたい、という願いが心にわいてきました。といっても、会って握手してください、くらいのミーハーぶりですが。それにしても藝大の大学院で修行すると絵画ってどんな風に見えるんだろう。未知の世界だなあ。怖くもあり、羨ましくもあり。

posted by はな at 09:32| Comment(2) | TrackBack(1) | 美術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんばんわ。
玉堂、よかったです。堪能出来ました。
あの小さなスペースにぎゅっと詰まってるのがいいですね、山種美術館は。
3代目館長にも期待ですね。
Posted by あおひー at 2007年10月14日 18:29
♪あおひーさん♪
あおひーさん、こんばんは☆
山種美術館、私も大好きです。
最初に行ったときはあの最初の空間と後の空間の分かれ方がなんだか変なの〜と感じていたのですが、最近は、あの奥の空間に入ったときにまた違う世界が広がっていることが多くて、そのサプライズ感が大好きです!
川合玉堂、これからの要チェック画家さんになりました^^

3代目館長さんにはこれからも山種美術館の魅力を存分にだしていってもらいたいです!
Posted by はな at 2007年10月14日 21:26
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック

川合玉堂展(山種美術館)
Excerpt: 前回、とても楽しむことが出来た山種美術館に行ってきました。 今回は川合玉堂展です。 まずは気になった作品をピックアップ。 「猿」 猿の日本画と言えば森祖仙ですが、玉堂の描くお猿さんもなかなか..
Weblog: あお!ひー
Tracked: 2007-10-14 18:24
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。