2007年09月27日

ベルト・モリゾ展

印象派の華(と、自分で勝手に名づけた)「ベルト・モリゾ展」に行ってまいりました。
損保ジャパン東郷青児美術館にて9月15日〜11月25日です。



週末行っても空いているような穴場感がいい東郷青児美術館ですが、今回は人が多かった!!さすが印象派は人気があるんだなあと思いました。いつもはお客がいなさすぎて、めっちゃゆるい感じで仕事をしている受付&ミュージアムショップのお姉さま達も今回は軽く忙殺されていてふざけた感じがしなくてよかったです(←きみ、何様のつもり?)

展示の最初のほうに当時の“女性画家”をとりまく環境についていろいろ説明されていて、それがかなり興味深かったです。

例えば、女性は裸体をモデルにして絵の練習ができなかったので、当時の基準で高位にあった「歴史絵」を描くことが難しかったとか、あの時代画家やアーティストはカフェで語り合って切磋琢磨していたけどちょっとしたいいお家の女性は一人で外出しちゃ行けなかったからそういうところにもいけなかったとか。うわー、大変!て思いました。そして、ブログがご縁でお近づきになれたpaletteさん(この記事、見てくれるかしら?)、ご自身も絵を描かれている方なのですが、paletteさんがこの解説を読んで、そしてモリゾの絵を見てどんな風に思われるかなあってぼんやりと思いましたよ!
あと、当時は、正規の美術教育は女性に門戸を閉ざしていたということも書いておかなくては。エコール・ド・ボザール(国立美術学校)が女子学生を受け入れるようになったのはモリゾの死後2年経った時なんだそうです。こういう話を聞くと、ほんの数百年前なのに、女性と男性それぞれに許されていたことがこんなにも違うんだと思うと、なんだか不思議な気がします!


印象に残った作品についてメモしておきます。

《寓話 または 乳母と赤ちゃん》。



優しい感じに心惹かれました。ソフトな色を効果的に用いて柔らかく明るい感じがでていると思いました。ほの明るい光感。

《ブーローニュの森の湖にて》なども。
ブローニュの森に近いところに住んでいたのかあ。ええところに住んでるなあ…。やっぱ、ええとこのお嬢さんなんよね…。なんて、絵と違うところで感心したり。


意外だなと思ったのは《埠頭の船》。港湾のエナジェティックな感じのところを描いた絵なんだけど、こんなところにきれいな奥さんが絵の題材を求めに足を運べたんだ〜みたいな驚き。これも、絵とは違うところで感心した感想になってる…。


変な感想ばっかりだけど、絵もいいのですよ!
すごく好きだったのは《少女と犬》。



まだ幼い少女だと思うのだけれど、全体の青っぽいトーンがちょっとおすましした感じと少女の清潔な感じを出していてとても好感度高かったです。背景の白布がつりさげられているか、何かにかぶさっているか、なのがちと不思議。


あとは《水浴》。水辺に裸の少女がいる絵なんだけど、体の美しさに惹かれます。冒頭で「裸体モデルによる絵の練習が出来ない〜」てこと書いたけど、それとは全く別問題。これは娘の成長を見守ってきた母だから知っている少女の美しさだなって思いました。

そんな感じで娘ジュリーがモリゾの絵にとって大きな意味を持っていて、度々彼女をモデルに描いているのですが、これなんて、ずいぶん大人っぽくべっぴんさんになったわねぇって感じ!

《夢見るジュリー》。



歴史・女性史的な観点からも興味深い人物だなと思ったベルト・モリゾ。絵もとっても素敵でした!

posted by はな at 16:31| Comment(9) | TrackBack(7) | 美術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんばんは。

女性が絵を描くには大変だった時代に絵を描いていた女性、という視点でみてしまったので、裸婦モデルのこととか興味深かったです。
それよりも気になったのは、画家マネとの関係ですね(下世話ですけど)。というのは夫ウジェーヌの存在感が絵の上でも空気のようにしか感じられなかったからなんです。
Posted by キリル at 2007年09月28日 00:40
こんにちわ。
ほんといつもは閑散としてるのが、今回は混雑していましたね〜。

>歴史・女性史的な観点からも興味深い人物だなと思ったベルト・モリゾ。
ほんと、今回は勉強になりました。最初の部屋にお入って解説ばかりだったので、一瞬あれ?っと思ったのですが、結果大正解でしたよ。
Posted by あおひー at 2007年09月28日 06:58
こんにちは。
国内ではモリゾの作品を見る機会が非常に少ないので、貴重な企画展でした。知名度が上がれば、モリゾの回顧展が今後増えるかもしれませんね。
常設展も、モリゾ展に合わせて印象派のルノワールが2点展示されていたのも良かったです。
Posted by Minnet at 2007年09月28日 12:25
♪キリルさん♪
キリルさん、こんばんは!
やはり女性画家という特異な存在であるから、作品とそのバックグラウンドの関係について、いろいろ考えてしまいますよね。
展示にも画家マネにまつわるいろいろな作品があって、私もいろいろ妄想してしまいましたよ〜^^;私の妄想の結論としては、モリゾはマネになんらかの感情は持っていたかもしれないけれど、マネと結婚したら人生が成り立たないとわかっていた賢明な女性だったんじゃないかと思います。だから弟のほうを選んだのかな〜と。
なんの根拠もない、想像だけのストーリーですが^^;


♪あおひーさん♪
あおひーさん、こんばんは!
東郷青児の混みっぷりに印象派の人気を改めてみせつけられた感じです。
絵画を見るには、その作品だけを独立したものとして見る方法もあると思うけど、歴史背景・その絵がおかれていた文脈を知った上で見るという方法もありますよね。
今回は、あの時代の中のベルト・モリゾっていうものが少しわかったような気がしてよかったです。



♪Minnetさん♪
Minnetさん、こんばんは!
印象派の作品群が集められていても、つい他のビッグネーム(?)に目がいってしまって、ベルト・モリゾをそんなにしっかり見てこなかった私かもしれません。今回は彼女の人生を俯瞰するようにたくさんの作品を見ることが出来てよかったです!
最後のルノワールの登場、びっくりしました。あれは東郷青児美術館の所蔵作品ということでしょうか?いろいろ持ってるんだ〜と思わされました!

Posted by はな at 2007年09月28日 20:02
はなさん、こんばんは♪
100年の違いでこれほどまでに女性の立場が変化したことにやはり驚きを感じてしまいます。常日頃、自由を謳歌している身から見るとなんとも窮屈そうな時代です。もっとも自由過ぎる不自由ということを感じることも時々あるのですが。

やはり写真技術の発達していない当時ですから、可愛い我が子をモリゾがたくさん描いたというのはまったく納得できますよね。ジュリーへの愛情があふれていました^^
Posted by chat_noir at 2007年09月28日 23:53
♪chat_noirさん♪
chat_noirさん、こんにちは〜☆
ほんとに、たった100年そこらなのに、想像もつかないくらい、社会ってかわるんだなあとびっくりです。自由に外にいけないなんて、現代の私からすれば、大変そうに見えます。でも、その時代はそれが当たり前だと思っていたから案外楽しくやっていたのかもですね。今の生活様式もあと100年位したら「信じられない!」とか思われるかもしれませんし!

モリゾが描くジュリーの絵はとっても優しかったですね♪わが子の成長を残しておきたいっていうのが表現の動機の1つであったのは間違いないんだろうなあって思います!
Posted by はな at 2007年09月29日 12:25
こんばんは。
見応えのある素晴らしい展覧会でした。
ジュリーちゃん可愛い!!O(≧∇≦)O イエイ!!
モリゾの描く女性のドレスは本当に綺麗ですね。
白色の使い方が素晴らしかったです♪(^_^)/
Posted by りゅう at 2007年10月09日 21:42
こんばんは〜、paletteでございます。
文中でご紹介くださってありがとうございます。確かに絵を描いておりますが、お恥ずかしいばかりです。
で、やっと見て来ましたのでコメントしにやってきました!
良家の子女が画家になるのがとんでもなかった時代。ちょっと信じられないですよね。その中で自分を貫き、表現をしつづけたモリゾに拍手喝采です。
はなさん同様、私もやはり少女の登場する作品がいいと思いました。ジュリーの存在がおおきかったのでしょうね!
Posted by palette at 2007年10月09日 23:48
♪りゅうさん♪
りゅうさん、こんばんは〜!
りゅうさんの記事拝見しましたが、すごいボリュームですね!熱がこもってるなあって思いました^^またあとでじっくり読みに伺いますね〜。
この展覧会、ジュリーちゃんの成長記録って感じで、最後あたりにこの《夢見るジュリー》にたどりついたときはなんだか胸いっぱいになりました。
「女性画家だから」ていう先入観をはずして見ようと心がけて見始めましたが、やっぱり女性らしい魅力ってあるんだなあって思いました!


♪paletteさん♪
わ〜い!paletteさんだ^^
この展覧会はpaletteさんの感想がぜひぜひ聞きたかったので嬉しいです♪
たった100年ちょっと前の話なんですよね!(記事の中で数百年とか書いてあるのは計算間違いです^^;数字感覚がまったくないことが露呈されておはずかしい)女性の立場のあまりの変化にびっくりしてしまいます。私がこの時代に生まれていたら、どんな風に自分の「生」を追求するかなあと考えてしまいました。paletteさんは絵を描いてたと思いますか〜?

少女の絵、いいですよね!必ずしもタイトルに「ジュリー」とはいっていなくても、そこかしこにジュリーへの愛情が光ってる気がしました☆
Posted by はな at 2007年10月10日 21:08
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