2007年07月29日

日展100年

楽しみにしていた展覧会です!
国立新美術館で開催中の「日展100年」。

わくわく、わくわく!

こちらの公式サイトでは、出品作品もちょびっと見ることが出来てなかなか楽しいです。
http://nitten100.jp/index.html

いやあ、よかったよかった、大満足ですよ!!
最近の私のツボは近代日本絵画なので、とにかくもう、大満足の展示でした。

新美ってオープンしてから2回ほど(展示は3つ)しかみてないけど、なんとなく「見方を強制してくる」ていうイメージがあったので(新美関係者様、ごめんなさいね)今回も「日展賛美!!」みたいなセクションわけ・キャプションつけまくりかな〜なんて失礼な予想をしていたんだけど、そんなことは全然なくて、時系列にそって良作をたくさんみせてくれたって感じでした。ありがたや、ありがたや。

日展は保守だとか、権威主義だとか思うかもしれないけど、いいものはいいのですよ。誰だったかな〜、丸山真男??(←すごいうろ覚えなので違うかも)かな??「真実の保守は革新なのです」みたいな言葉を行った人がいるけど、これだけの大作の潮流に乗っかろうと思ったら、画家さんだって自身の絶えざる革新をはからないと無理ですよ!

と、冒頭から息巻いてますが、お気に入り作品の紹介をば。

今回はおもーい図録も買ってきたので、いつも以上に携帯カメラのピンボケ写真をたくさん載せたいと思います!!気になる方はどうぞ会場にお越しくださいね!


まず、会場はいるといきなり上村松園の《花がたみ》がお出迎え。



ちょっと鬼気迫るものがあります。どうしたのでしょう、この女性は。松園の落ち着いた美しさのある女性の絵に慣れていた私としてはいきなりパンチをくらったようで、まじまじと見てしまいました。松園はいろんな雰囲気の女の人を描くんだなあ、と思ったわけです。

下村観山《木の間の秋》。



あ〜、これも、図録でも全然雰囲気違うし、携帯ピンボケ写真なんかじゃもう全然だめ!!でもね、とにかく、美しいのですよ。金色(←こんじき、と発音してください)のグラデーションが見事で。つる植物(山葡萄とか)が画面にめりはりをつけていて。


今村紫紅《護花鈴》。



これ、ほんとはずっと横長です。写真は一部分だけね。
護花鈴ってなんだろう、なにかの神事みたいな感じかな?くもったパステルのトーン、登場人物の穏やかな表情がいいのです。おちついてるのにそこにぱーっとひろがる華やかさ!

ちょっと、いい意味でぞっとする絵がこちら。
中村不折《白頭翁》。



しわしわの老人が見やる方向には若さ溢れる1組の男女が。いかようにも読解できそうな絵で…。女がつもうとしているその花は、若さのもつ美しさはすぐに消えてしまうものよ、ということを表しているのですか?


「第1章 文展」の後半は洋画だったのですが、もちろん良作がそろっていたわけですが、「第2章 帝展」の冒頭のほうに飾られていたこの作品が目に入ってしまい、もう気もそぞろ。

それがこれだっ!

石崎光瑤《燦雨》。



もういや…この写真じゃ全然わかんないって…。

ほんものは、すごいのです。金の雨、どういう方向で飛んでいるんだと不気味に感じるほどにねじれた鳥の群れ、中央を占める孔雀、南の島の森を思わせる極彩色の花、にじむ色…。
かなりアバンギャルドだったんじゃないかと思うのですが。とにかく、この絵はかなり気に入りました。


こんな素敵な絵もあります。
川崎小虎《春の訪れ》。



ほんわか、ほんわか…。日本画はほんといいよ。何がいいってこの色合いがいいんだろうなあ。


堂本印象《訶梨帝母》。



鬼子母神という名前のほうが聞いたことがあるかも。鬼子母神てとても恐ろしい面ももった神だったんだよね。でも、この絵は子どもを愛してやまない鬼子母神の一面があふれるほどに表されてます。子どもがみんな母の愛をたっぷりうけたふくよかな感じ。鬼子母神自身も、神々しい美しさが。この神々しさ、なぜか、私の中で、先日山種美術館で見た村上華岳の《裸婦像》とシンクロしました。


中村大三郎《燈篭大臣(とうろうのおとど)》。



はではでしいわけじゃないけど、気に入った一枚です。
蓮の花びらがふんわりと散ってるのよ(写真じゃわかんないけど!)。なんとなく極楽浄土(見たことないけど)を思わせる上品さがありました。

西山翠嶂《牛買い》。



美術館でみたときはもっと薄暗い色合いだったような気がします。
なんだろう、人生のペーソス(←私、この言葉好きみたいだな、陳腐なんだけど)を感じさせる絵。日常ってこんな感じだろうなって思った。

「第3章 新文展」にはいってからは、こちら。

西村五雲《麥秋》。



かわいいのぅ〜。たまらなく愛らしいです。動物の絵に弱いのかな、私?

工芸ではこんなのが素敵でした。

吉田醇一郎《薄雪鳩文漆絵飾筥》。



黒じゃない漆ってことよね?すごくカラフルでモダンな感じのする作品です。

「第4章 日展」ではこれなんかどうでしょう?

池田遙邨《稲掛け》。



こいつがいい味だしてるんだよね。



こやつがいなかったらどうかな〜と頭の中で画像編集してみたのですが、まあそれでも結構いい絵なのですが、やっぱりこのたぬたぬ君がいいのです。

そんな感じでした!

私的には超おすすめの展覧会です!!


2500円もするわ、重いわで散々だった図録だけど、嬉しいから寝る前とかにいっぱいみちゃおう!


posted by はな at 20:29| Comment(19) | TrackBack(7) | 美術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんばんは。

何も知らないのに、日展とつくだけで何となく敬遠していました。みごたえのありそうな絵がたくさんありますね。出かけてみようという気になりました。
いいですね、このタヌキ。
Posted by キリル at 2007年07月29日 23:53
中村不折《白頭翁》の絵。気に入ったのですが、
どんな物語を描いたものか気になっていました。家に帰って、調べたら「年年歳歳花相似たり歳歳年年人同じからず」という唐の詩人の歌を描いたものだそうです。

燦雨の金色の雨には、感動しました。
Posted by 一村雨 at 2007年07月30日 00:43
日展ねえ、ふ〜ん。程度にしか思っていなかったのですが、この記事で、「行ってみようかな」になりました。どうもありがとう。私も、このタヌキがすごくいいと思います!このタヌキに会いにいってきますね。
Posted by palette at 2007年07月30日 08:00
堂本印象《訶梨帝母》と西山翠嶂《牛買い》が
とてもきれいだと思いました。
(牛は確かにかわいい。。。)

東京はいいなあー見るものが近くにたくさんあって。
上のサイトも見てきます。
Posted by マロン at 2007年07月30日 23:45
♪キリルさん♪
“権威”に認められた絵を賞賛することは自分の目がくもってしまうような気がして…というお気持ちかもしれませんね。
でもかなりの逸品ぞろいで、なかなかお勧めです!
ご都合つけばぜひ足をおはこびください〜☆


♪一村雨さん♪
わあ!白頭翁の由来教えてくださってありがとうございます!
こういうネットのつながりで自分の知識も視界も広がっていくって素敵なことですね。
その詩から考えるに、やはり、若さの無常みたいなことなのでしょうか…?


♪paletteさん♪
たぬたぬ君は私の中でもかなりヒットでした!
“美術”という気合が入った感じではなく“イラスト”的な癒し効果がありましたよ〜(なんか美術とイラストを区別しているようで、我ながらどう表現していいかわからずもやもやするところですが)。
あと、私が近代日本絵画、特に日本画がすきっていうところが、点数甘めになってるかもしれません^^;そのあたりもご勘案頂き、でもやっぱりいってみてください〜!



♪マロンさん♪
せめてスキャナーでもあればいいのですが、携帯カメラのへなちょこ写真でしたが、作品の素敵さの一部でもお伝えできたらすごく嬉しいです!
私も首都圏に住んでいてありがたいな〜と思うのは毎週末のようにどこかにプライスレスな美しさを見に2000円程度の出費で遊びに行けることです。ありがたい…。
どうでしょう、こちらに足をのばされて、牛さんを見にこられては?なんてそそのかし〜^^


Posted by はな at 2007年08月01日 20:47
TB有難うございました。色々日本の画家の絵が見れて、それに空いてもいて、いい展覧会でしたね。たぬたぬは愛らしい感じがして、作者の遊び心が感じられましたね。白頭翁は、覗き趣味の老人かと思っちゃいました(笑)
Posted by RICARDO at 2007年08月02日 13:56
♪RICARDOさん♪
こんばんは、はじめまして!
ご来訪ありがとうございます^^
私も週末に行ったのですが、意外とすいていて思う存分鑑賞することができてすごく嬉しかったです!
まだ会期始まったばかりだからなのでしょうか?

たぬたぬ可愛かったですよね^^
私、動物の絵、大好きです!
白頭翁は…若さと老いの対比が残酷に感じました、と思う私はまだまだ若い?
Posted by はな at 2007年08月03日 23:06
残暑お見舞ありがとうございました。
わたしもタヌキが気に入って、絵はがきを買ってきました。そして、こちらと同じく、コヤツの拡大画像をブログに載せてしまいました。
京都では、同じようなキツネを観ました。
Posted by とら at 2007年08月11日 18:44
♪とらさん♪
とらさん、こんにちは!
とらさんの記事も拝見いたしました〜!
このたぬきの扱いがお互いそっくりなので、なんだか可笑しくなっちゃいました^^
どうにも愛らしいたぬき君ですよね〜。
似たようなきつね君というのも気になります…。
Posted by はな at 2007年08月12日 14:22
京都国立近代美術館で観た池田遙邨≪朧夜≫のキツネ君は
http://cardiac.exblog.jp/m2007-05-01/#6902888
に拡大画像としてあげてあります。
Posted by とら at 2007年08月13日 09:42
♪とらさん♪
御紹介ありがとうございます〜^^
私もこれちょうど行ったので、見覚えがあります!!
そうだそうだ、こんなきつね君がいた、と懐かしく思いました。
また京都に行きたいです。
Posted by はな at 2007年08月13日 11:09
松園はインパクトありましたね。あの不気味な感じは東博の「焔」と同じですが、まさかこの展覧会で見られるとは思いませんでした。嬉しかったです。

狸は大人気ですね。私も一推しはその作品かもしれません。可愛いですよね。

>いいものはいいのですよ。

同感です!これだから展覧会巡りはやめられません。
Posted by はろるど at 2007年08月16日 00:55
♪はろるどさん♪
まずはいっていきなりの松園には、度肝を抜かれました。狂気じみた女の人の絵をみると、それ自体の迫力にも感じ入るのですが、「自分の中にも今女性性があるのだろうか」という内省のきっかけになることがあります。

たぬき君はとらさんもブログのほうでとりあげてらっしゃいました!個人的に古いもののほうが好きだったので、今回の展示も「日展」のセクションくらいになってくるとなかなか評価が渋くなってきたのですが、このたぬ君は一押しです!!

この展覧会、優良可そして不可と、いろんな方がいろんな成績をつけると思いますが、私は「優」です!
Posted by はな at 2007年08月16日 21:52
こんばんわ。
先日、ようやく行ってこれました。
やはり、松園の作品にやられてしまいました。
西村五雲の「麥秋」は子牛の目がかわいかったですね〜。
このかわいさは応挙の描くわんこに近いと思います。
Posted by あおひー at 2007年08月16日 22:28
♪あおひーさん♪
あおひーさん、こんばんは!
最初に松園のあの絵をもってくるから、かなり野心的な展示かと思ったら、堂々と正道を行くという感じでした!
でもほんと、この《花がたみ》すごいインパクトですよね。
《麥秋》もほんとかわいかったです^^
動物の絵はやっぱり無条件降伏してしまいます〜!!応挙の犬もかわいいですよね!へなちょこな感じが^^
Posted by はな at 2007年08月16日 22:57
はなさん、こんにちは。
この展覧会、はなさんはずいぶん早くに行かれていたようですね! 私も実は初日狙いでしたが、暑さにヤラれ(←言い訳)今頃ようやく行ってきました(^^;;

西山翠嶂《牛買ひ》がこちらにも登場していてうれしいです。私もあの悲哀、ペーソスを感じさせるところがすごく好きでした。松園は落ち着いた美しい絵よりもこういう怪しく妖艶な絵の方がどちらかというと好きなので、コワくも楽しかったです^^
Posted by chat_noir at 2007年08月24日 00:52
♪chat_noirさん♪
chat_noirさん、こんばんは^^
私の中でも近代日本絵画がアツいので、これは誰がなんと言おうと、自分を満足させるために、駆け抜けてまいりました!
まだまだ絵画鑑賞歴が浅いのではじめて見る絵ばかりですごくよかったです☆

《牛買ひ》お好きなんですね^^
私もいろんな方のブログを拝見していて自分も気に入った絵を取り上げられているのを見ると嬉しくなっちゃいます!
あの絵、派手さは全然ないのに、なんだかひかれるものがあるんですよね。
松園の《花がたみ》お気に召したようで^^;
私もまじまじとみてしまいました!!
私はどちらかいうと優しい松園がすきかな〜と思います♪
Posted by はな at 2007年08月24日 21:51
こんばんは。
遅ればせながらTB送らせていただきます。

3日で終了ですね。。。
Posted by Tak at 2007年08月30日 22:47
♪Takさん♪
コメント&TBありがとうございます!
Takさんは記事書くお気がむかないのかな〜なんてひやひや待っていました^^;
もう終わってしまうのですね。
私はこの展示、大好きでした。
ただ、今週末は腰痛の療養のため、家にひきこもろうと思います…+_+;
Posted by はな at 2007年08月31日 22:15
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック

日展100年 新国立美術館
Excerpt: 「一目でわかる!日本の美術この100年」とチラシにあるように、1907年の文展から、帝展、新文展、そして戦後の日展と100年間の日本画、洋画、彫刻、工芸品、書の出展作品約170点を展示しており、見応え..
Weblog: つまずく石も縁の端くれ
Tracked: 2007-07-30 00:44

日展100年 @新国立美術館
Excerpt:  日展の前身である文部省美術展覧会(文展)が発足した明治40年(1907)から数えるとちょうど100年。それを記念してこの展覧会が開かれているのだが、昨年まで日展が開かれていた東京都美術館ではなく、オ..
Weblog: Art & Bell by Tora
Tracked: 2007-08-11 18:45

「日展100年」の「日展100人」
Excerpt: 国立新美術館で7月25日から9月3日まで開催している「日展100年」展。  日展は、わが国最大の公募美術展です。1907年、明治政府が美術を振興するために文展を開いて以後、帝展、新文展、そし..
Weblog: 弐代目・青い日記帳 
Tracked: 2007-08-13 16:15

「日展100年」 国立新美術館
Excerpt: 国立新美術館(港区六本木7-22-2) 「日展100年 - 一目でわかる!日本の美術この100年 - 」 7/25-9/3 日展へは一度も足を運んだことがありませんが、その100年の歴史が「一目..
Weblog: はろるど・わーど
Tracked: 2007-08-16 00:27

日展100年(国立新美術館)
Excerpt: 「日展100年」を見に、国立新美術館に行ってきました。 いつの間にか100年も経っていたんですね。 展示を見てくと分かるのですが、やはり時期によってその名は変遷しています。 「文展」>「帝展」>..
Weblog: あお!ひー
Tracked: 2007-08-16 22:25

「日展100年」
Excerpt: 国立新美術館に「日展100年」を観にいってきました。 明治政府が美術を振興するために公募美術展である文展を開いたのが1907年。以降、帝展、新文展、日展へと移り変わりながら発展してきた100年の歴史の..
Weblog: - CHAT NOIR -
Tracked: 2007-08-24 09:20

「日展100年」
Excerpt: 国立新美術館で開催中の「日展100年」展に行って来ました。 8月11日のこちらの記事、「日展100年」の「日展100人」で取り上げてから間髪入れず翌日早速六本木へ足を運んだにも関わらず、..
Weblog: 弐代目・青い日記帳 
Tracked: 2007-08-30 22:47
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。