2007年06月30日

肉筆浮世絵のすべて(後期)

出光美術館で開催中の展示「肉筆浮世絵のすべて」の後期分を見てきました。

「肉筆浮世絵」という言葉の意味などについてはこちらに解説を転載しておきました↓

浮世絵は、江戸前期に誕生し、幕末明治期までおよそ二百年以上栄えた、世界の美術史上にも稀な日本独特の風俗画です。遊廓と芝居小屋に取材し、遊女と役者を描くことを使命としたこれら浮世絵では、一般には版画作品がよく知られていますが、他方そこには数多くの絵画作品=肉筆画が存在しています。浮世絵師たちは、版画や版本のための版下絵を描く一方で、そのほとんどが例外なく一点制作の肉筆画にも筆を染めており、当世美人の艶やかな絵姿などが、鮮烈な肉筆画として数多く描き残されています。

ということで、「色彩がとても鮮やかな」「美人画が多い」という特色を持った展示だったと思います。いや、ほんとに、美人画のオンパレード!色がとてもきれいに残っていることにもびっくりしたし。

実は前半の美人画の洪水には結構おなかいっぱいになってしまったところもあるので(すみません!)印象に残った絵のメモ書きとしては後半の展示品からいくつかピックアップ!

礒田湖龍斎《箒持美人図》はお部屋の掃除をしようとしているのか、無造作に箒を持ってる女性の絵。着物の裾から見える白い素足にちょっとどきっとさせられました。

窪俊満《藤娘と念仏鬼図》は鬼の形相に目を奪われる一品。清楚で優しそうな娘さんと鬼と藤の花、どんなストーリーの話なんだろう、とちょっと知りたくなりました。

蹄斎北馬《墨堤二美人図》は傘が風をうける様子が素敵。

同じく蹄斎北馬の《五節句図》は美人が5人描かれていたんだけど、これは何かの寓意絵なのかな?五節句についての理解がないためそこまで読解できませんでした…残念!

歌川広重《煙管をもつ立美人図》は着物の裾にもぐりこんでる猫が可愛い!とまあ、猫がかわいいだけじゃなくて、着物の裾が床に落ちるあたりにかけてのライン、床の上に引きずってるラインがなんかおしゃれでいいなあ、と思ったのです。

あとはこの度初公開だった葛飾北斎の《樵夫図》《亀と蟹図》という絵もありました。とてもよかったです。《樵夫図》は右に森の絵、左に樵の絵が描かれているのですが、うっそうとした森の広がりを感じるし、樵がなんだかひょうきんな人のようなそんな感じも伝わってくるし、味のある一品でした。

北斎の《鐘馗騎獅図》というのがあったのですが、とても力強い絵、しかもこれを描いたのが85歳の時というから驚き!!

あと、覚えた単語がある。「遊女と禿図」という題材を時々見ますが、この「禿」。英訳で”attendant”と書いてありました。なるほど、付き人のことか〜。そして、「見立なんとか図」ていう絵も何枚か見かけて、この「見立」というのは”parody”という単語があてられていました。ふむ、これは歴史的もしくは有名な題材をモチーフにして描いてみた、みたいな感じなのね。キャプションの英語訳というのはひそかにわかりやすくて結構重要なヘルプだったりします。画家名が読めないときとかもローマ字表記で確認できるし。

ちなみに展示は浮世絵の発展の歴史がわかるように、様々な流派ごとに展示されていて歴史が俯瞰できるようになっていました。これ全部頭に入ったら、これからも結構浮世絵楽しめるかも、と思ったけど、ちょっと全部は覚え切れませんでした^^;

それにしてもほんと、たっぷり見た!という感じです。
今週末までなのでお早めに!

posted by はな at 10:44| Comment(2) | TrackBack(3) | 美術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
はなさん、こんばんは。遅くに失礼します。<やっと記事を書いたので・・・(^^;)この展覧会は本当に素晴らしい絵が多くて楽しかったですね。

蹄斎北馬《墨堤二美人図》は吹く風にあおられる二人が素敵でしたね。

《樵夫図》もユーモアがあってよかったです。

「見立」は”parody”と訳されているんですね!納得。

五節句は、1月1日、3月3日、5月5日、7月7日、9月9日の節句を表している美人図だと思います。

羽根突き⇒1月、鮎?の着物と桃の枝っぽいものが傍にあるのがおそらく3月、菖蒲の柄の着物を着てる暑そうにしていた人が5月(旧暦だと今の6月なのでこのくらい暑いかも)、短冊を書いてるのが七夕、杯に菊を浮かべているのが重陽の節句(九月)と読み解きました。

それでは、失礼します。
Posted by しのぶん at 2007年07月22日 00:00
♪しのぶんさん♪
しのぶんさん、こんばんは!
江戸時代をざくっと見渡せる、かなりそろえられた展示でしたよね。美人の連続に、おなかがいっぱいになりました!

「見立」は別の展覧会では"representation"と訳されてました。palody,
representation、両方の単語を頭に思い浮かべると「見立」の意味合いが自分なりに理解できるような気がしました。

そして、節句の説明、ありがとうございます!
なるほど〜。桃の節句、端午の節句あたりは知っていたのですが、しのぶんさんの説明を念頭にもう一度あの絵がみたいです!!
Posted by はな at 2007年07月23日 21:39
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